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竹というものは原始時代にすでに使われていたものですが、なめらかで強く、さらに弾力性にすぐれており、また乾湿にも歪みが少ない特性を考えると当然のことでしょう。 正倉院において竹を使った楽器の他に、箱や花かご、そのほかにもたくさんの遺品が保存されていますが、平安時代になると健在としても随所に用いられるようになります。 同時に、矢や鞭などの武器や、農耕、漁業などの道具などといった日常生活の細部にまで広がっていきました。 鎌倉時代の終わり頃から室町時代にかけては、茶道具を作るために欠かせない道具として竹はさらに重宝されていきました。

さらに、江戸時代初期には竹細工や柄杓師が活躍し、将軍家のご用を務めるようになります。 中期になりますと大竹を輪切りにした花器の他、柄杓などといった道具を製作する職人が京極の二条や四条辺りに多く住むようになりました。

京都という地域は竹の生産地として風土条件に恵まれれており、山に囲まれた盆地は寒暖の差が激しくて土壌も肥沃です。 こういった風土と文化都市としての環境のもとで、京都は竹の都として有名です。 京都の竹工芸の特色とは、竹そのものの持ち味を活かしたところにあります。 このことはそれだけ京都の竹というものが素材として素晴らしい点にあります。

中でも嵯峨野の竹は特に名高いようです。 京都の簾は技術的にも飛び抜けて素晴らしく、手作りの高級品は京都だけで作られていると言ってもいいでしょう。

ここ数年来、人々は生活の中にゆとりや潤いを真剣に求めだしており、それにつれて竹製品に大しての関心も高まっています。 また、外国への輸出についてもこれまで以上に期待が持てると言えるでしょう。 京銘竹は平成6年に京都不伝統工芸品に指定され、京竹工芸は特許庁の商標原簿に登録された京都竹工芸品共同組合の地域団体商標となっています。

なお、竹工芸の代表作としては毛利健一の揺籠（ヨウラン）などがあります。 毛利は別府の職人でありますが、作品は素晴らしい物を数多く作っています。