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金沢学院大学の美術文化部には漆芸コースというものがあり、ここに所属した学生はさまざまな技法を身に着けています。卒業制作展は特に素晴らしい作品ばかりで、ある卒業生が出店した厨子はお店に出せばかなりの値段がつきそうなものです。そんな彼らを指導している教諭の一人に人間国宝で有名な前史雄がいます。

彼は漆芸の中でも沈金の技術を受け継ぎ、新しい技法を生み出してこの分野に新しい風を吹き込んでいる人です。また、彼は輪島を活動拠点にしており、県立輪島漆芸技術研修所所長にもなっているので、金沢と往復する生活のようです。漆塗りのお箸や漆器のお椀などは我々が日常生活する上で大変重宝しているものです。

全国で漆芸の伝統を受け継いできた地域は多く、それぞれの土地において見事な塗り物が製作されています。漆器とは英語で、lacquer wareまたはjapanとなっていて、まさに漆器とは日本を代表するものとして世界的に認知されていると言ってもいいでしょう。さらに、石川県の加賀地域では金沢漆器と山中塗りが有名で、山中温泉に来た人は散歩などで漆器お店に立ち寄ってもらいたいです。また、金沢では百万石通りの市庁舎に隣接する伝統店である能作で金沢漆芸の品々を堪能していただきたいものです。能登の輪島においては能登はやさしや土までも、と言われるほど人々の優しい心の結晶のような輪島塗の漆器が私たちの目を楽しませてくれています。

なお、輪島では昔ながらの漆の家が多くなっていますが、その中の一つとして輪島屋善仁の町屋があります。ここは明治時代に建てられたとされる塗師の家を復元したものであり、天井や柱、腰板などが漆塗りとなっており、大変きれいに保存されています。この家は一般公開こそされていませんが、併設の漆ギャラリーは誰でも訪れることができ、最新の漆の作品を楽しみ、また購入することができますので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか？

なお、彼の作品としては「輪島塗　沈金春の日　中棗一」というのがあります。