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酒井田柿右衛門という人についてご存じでしょうか？ここでは、その酒井田柿右衛門についてご紹介しましょう。酒井田柿右衛門とは初代が1596年11月15日生まれで、江戸時代に肥前の国、有田の陶芸家およびその子孫が襲名する名称を言います。

現在の佐賀県西松浦郡有田町は良質の陶土が発見されたため、酒井田西は息子の喜三右衛門と陶器や白磁、染め付けなどを製作していましたが、やがて17世紀の前半になると喜左右衛門は赤絵陶磁の製作に成功し、柿右衛門となりました。初代は乳白色に赤色系の上絵を焼き付ける柿右衛門方式と言われる磁器の作風で、その作品はヨーロッパなどにも輸出され、マイセン窯などでは模倣品が作られた程です。さらに、磁器発祥地である中国の景徳鎮にも影響を与えており、同じような作品が作られヨーロッパに輸出されました。1666年に亡くなった初代とその息子の二代目、その弟の三代は製作時期が重なっていたため作風も似ています。また、三人ともがきわめて技術が高かったといわれており、加えて四代までの間が初期の柿右衛門と言われています。

なお、柿右衛門様式は主に大和絵のような花鳥図を題材としており、暖色系の色合いで描かれ、非対称で乳白色の余白が豊かな構図となっています。上絵の色は赤や黄色、緑、青、紫、金などが使われています。また、器の口縁には「口銹」と呼ばれるものが施され、同じ有田焼であっても緻密な作風の鍋島様式や寒色系で余白のほとんどない古九谷様式とは違っていて、温かみのある柔らかい雰囲気となっています。濁手と言われる独特の乳白色の地色で、赤色の釉薬と組み合わせることでとても映えるのが特徴です。ですが、原料である土の耐火性が非常に強いので調合が難しく、さらに焼く際や乾燥させる際の体積変化が大きく、製作が非常に困難だと言われています。

なお、十五代酒井田柿右衛門の作品には 杜鵑草文 皿、濁手 唐梅文 皿などがあります。ぜひ、１度手にとって見てみてはいかがでしょうか？