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野口園生という芸術家についてご存じの方はいらっしゃるでしょうか。あまり知られていないかも知れませんが、ここではその野口園生について書いて見たいと思います。ぜひ、まだご存じない方はご参考になさってみて下さい。

野口園生は衣装作家であり、国の重要無形文化財保持者です。1907年に東京都下谷区谷中清水町に生まれました。1924年に東京私立女子第一技芸高等学校を卒業し、1937年に堀柳女人形塾に入門。翌年には申戌会芸術人形展にみぞれ降る日という作品を出品し、14年になると年童宝美術院人形展に「家路」を出品し、奨励賞を受賞します。

18年に戦時下にあり堀人形塾が解散したため、彼女は暫くの間製作を中断していましたが、戦後再び始め22年第3回日展において宴の途という作品を出品します。23年の第1回東京都工芸展には秋の草という作品を出品して2等賞を、翌年には港町を出品して三等賞を受賞します。25年になると人形塾を開いて、さらに同年の現代人形美術展においては雨後という作品を出品し、朝日新聞社賞を受賞。28年の現代人形美術展では霧の朝で努力賞を受賞します。

30年からは蒼園会を主宰して銀座の松屋において展覧会を開催し、31年には日本伝統工芸展において入選して以降、同展に出品をし続け、日本工芸会会員となります。37年日本伝統工芸展新作展では寂秋を出品、奨励賞を受賞した他、日本伝統工芸展や新作展に出品を続けました。59年になると喜寿記念である『ごくらく一寸のぞきみ』を刊行し、その後国の指定重要無形文化財保持者に認定され、野口園生人形作品集が刊行されました。

さらに、62年から平成5年にかけて人間国宝新作展に出品を続け、日常生活に根ざした季節感や、自然のおもむきを大胆にデフォルメした人体により表現。独特のフォルムと詩情を持つ作風を表現しました。彼の主要作品にはいたずらものや、上陸、鳩守る人などがあります。この機会にせひ素晴らしい作品の数々をご覧になってみてはいかがでしょうか？