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洋画とは、西洋絵画や西洋画の略で一般的に欧米の油彩画を指します。 西洋において洋画の始まりは王侯貴族の宮廷や墓所を彩る壁画として始まり、徐々に板などに描く形式を取っていきました。 その後板に布を貼るカンバスが開発され、壁画にとどまらず広く制作の場を広げることができるようになりました。 イタリアルネッサンスを経て、油絵の技法が広がり現在のような油彩の技法に至っています。

日本において「洋画」という言葉は「日本画」の対となる言葉として用いられています。 明治維新の際、明治政府は欧米諸国の技術を学ぶために1876年工部美術学校を設立しました。 工部美術学校は日本最初の美術教育機関で、設置された期間は「画学科」と「彫刻科」のみで、洋画と西洋彫刻から成る西洋美術教育のみを前提としていた機関でした。 画学科ではアントニオ・フォンタネージ、彫刻家はヴィンチェンツォ・ラグーザが指導を担当し、浅井忠や小山正太郎ら日本初めての洋画家を生み出しました。 こうした西洋画全盛の日本に苦言を呈したのは、アーネスト・フェノロサです。 フェノロサは東京大学で哲学を講じる傍ら講演で日本美術を高く評価し、それに感銘を受けた岡倉天心が東京美術学校を設立、洋画科を排し日本画を指導するようになりました。

フェノロサの提言は、日本にこれまでの伝統的な日本の絵画を見直す機会となりました。 明治維新を通して洋画が日本に伝わり、日本人ははじめてこれまで自分たちが接してきた作品を日本の絵画、すなわち「日本画」として接するようになったのです。

このようにして日本の美術教育では「洋画」と「日本画」が併設されるようになり、高橋由一や川村清雄、原田直次郎といった日本を代表する洋画家が活躍するようになります。 こうした洋画家たちは欧米諸国とはことなる日本の風土を西洋の技法で描く困難にも向き合わねばなりませんでした。 近年では日本画と洋画の垣根を取り去った作品も制作されるようになり、美術の表現も更に新しい表現を試みるようになってきています。