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ジェフローランドは、1984年に創立されたアメリカ合衆国のハイエンドオーディオメーカーです。日本では、1986年に「Model 7」、プリアンプ「Synergy」「Coherence」、パワーアンプ「Model 2」「Model 6」などを発表し、アメリカのハイエンドオーディオメーカーとして認知されるのに時間はかかりませんでした。あくまで原音再生をするため、ジェフローランドは、幾つもの独創的な技術やアイデアを用いたアンプ作りをしています。例えば、「Model 725」や「Model 925」などのフラッグシップモデルの場合、アンプの音質に大きな影響を及ぼす出力段にはセラミック基板を採用、大型の入力トランス、4極コンデンサーによる電源ノイズ抑制などです。

そして最も特徴的なのは、製品の外観でもある筐体であり、航空機グレードアルミ塊を削り出した完全モノコックボディという、非常に凝った作りとなっています。その結果、シャーシとヒートシンクは、パワーアンプとして世界初の完全一体構造を実現しています。そこから再生される音は、創業者であるジェフ・ローランド氏の言葉を忠実に具現化したものです。曰く、「音楽には色があり、その色の豊かさを再現したいという考えから、再生音はあくまでナチュラルで、聴く人の心を癒す」というものです。具体的には、豊かで厚みのある低域、立体的な音場、伸びのある弦の音、しっかり中央に定位したボーカルなどです。

ただし、ハイエンドアンプであれば、価格や重量もかなりのものとなります。Model 725の場合、価格は約475万円、重量は24.5kgあります。アルミ削り出しの綺麗な縦方向のグラデーションは、見方によってはメタリックでシャープです。しかし、その対極にあるような豊かな音場に身を包まれるのは、ハイエンドオーディオならではの楽しみと言えるでしょう。