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クラインはアルミのファットチューブによるマウンテンバイクの先駆者的存在です。6000万台のアルミを自社工場で冷間加工し、溶接と熱処理を行って残留応力を徹底的に除去し、正確なアライメントのバイクを作る技術によりブランドの基礎を作りました。アルミの特性を見抜き製造されたバイクはいろいろな工夫が施されており、メリットとして軽量であるのはもちろん、大口径チューブによる泥ハケ性の低下を嫌って角断面に成型されたパイプをBB集合部に使ったり、アルミ面の保護としてチェーンデバイスをフレームに直接つけるなど、新しい素材を新しいバイクの素材に定着させようとする点は細部のデザインにも徹底して行われています。

1993年以降のラインにおいては、独自の内蔵ワイヤの出入り口の形を見直し、ヘッド周りの金属疲労を減らす工夫もなされています。ファットチューブのバイクの老舗らしくフレーム全体をキャンバスのように見立て、美しい塗装を行ったことでも知られています。1980年代から1990年代初めまでは小規模ではありましたが、独自の技術を持った特殊メーカーとして知られていました。ですが、トレックに買収された後は少しずつ独自色を失っていき、現在ではクレインの名前を残すのみという感じです。

現在のラインナップはクラインとして初めてのカーボンフレームのロードバイクであるQ-エリート や、カーボンバックのロードバイクアウラ。マウンテンバイクのアティチュード・クロスバイクのカルマだけとなっています。なお、トレックに買収される前の製品はオールドクラインと呼ばれるもので、程度のいいフレームについては高値で取引されています。2002年になるとASTM　によってはじめて9000万台の番号が与えられる可能性のあるアルミ素材であるZR9000　を利用した自転車を発売。トレックグループに貢献はしているもののすでにアルミ製の自転車が減っているため、今後新たにZR9000を使用したフレームが作られる可能性は低いです。

このクラインの人気モデルと言えばカルマがあります。シートステーとフロントフォークにカーボンを使い、フラットハンドルバーのモデルです。