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反物とは、和装の材料となる和服生地の総称です。 幅が36cmから72cm、長さが4mから26m程度で、一枚の長い布から着物を仕上げます。

反とは布帛の大きさの単位であり、1反が成人一人分の衣料に相当する布帛の量となります。かつて租税において「調布・用布」を納めるよう定められていたので、早くから寸尺の規定がありました。 胴裏、裾回し、羽裏など、一反に満たないものも関係なく現在では反物と呼ばれています。

反物の種類は正絹、木綿、ウール、化学繊維、麻、混合型、他特殊な素材等があります。

正絹とは絹、シルクのことで蚕の糸から生産され、種類が豊富です。肌触りの良さや柔らかさなどの品質がとてもいいです。 木綿は綿、コットンのことで綿花から作られ、こちらも色柄などかなり豊富です。肌触りも良く汗を吸収しやすいため浴衣等によく使用される反物です。 ウールは羊の毛からとられたもので、色柄は派手目なものは少なく茶、紺、黒、グレーの無地、あるいは小さな柄が多いのが特徴です。羊毛なので暖かく、正月や冬場におすすめの反物です。 化学繊維はポリエステルやレーヨン等色々あります。人絹というのも化学繊維に入ります。色柄もそこそこ多いです。反物単体でなく初めから、既製品にして売られているものが多いようです。 麻は様々な麻がありますが、反物で使われているのはカラムシという品種から作る、一般的に「本麻」と呼ばれる麻から作られています。主に夏場など暑い時期に使う生地で、上布、縮、といったものがだいたい麻生地です。肌触りはざらざらしていています。もと もとの色は生成りという少し黄色がかった白ですが、様々な色柄に染められたものがあります。落ち着いた色味のものが多いです。 混合型は綿+麻などが多いです。

特殊な素材としては、葛から作られた葛布という反物等が存在しています。

どの素材にも一長一短ありますが、反物から体形・体格に併せてあつらえた着物は着崩れし難く、自分だけに作られたものになるので愛着も湧きやすいものになります。