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こおろぎ社が製造するマリンバをはじめとする鍵盤楽器は、世界中の鍵盤奏者に愛用されています。マリンバは通称、木琴という名前で親しまれ、マレットというバチで叩く事で音を出します。また、音板の下には共鳴管という管が配置され、この共鳴管が音板を叩いた音を優しくて深い響きにします。

こおろぎ社は、１９４９年に福井県鯖江市を拠点に、卓上木琴の製造からスタートし、「こおろぎの声」から連想される「美しい音」を求めて日々研究と製造が行われてきました。１９９３年には正式に株式会社「こおろぎ社」として設立され、本社と工場をを越前町に移転しています。材質がそのまま音になる、といっても過言ではないこの楽器において、こおろぎ社のこだわりとしてはまず、「音の均一化」を図る為に「一貫した製造工程の管理」からはじまります。

素材となるローズウッドの原木を、原産国のグアテマラから買い付け、できるだけまっすぐな良木を選木し、そこから製材、乾燥という過程を経て、木取りと言われる品質選抜を行います。また、この乾燥という工程だけでも徹底した湿度管理をした倉庫で５年くらいの年月をかけます。その後、熟練の技術者が目視と聴音を何度も重ねながら、素材のグレードを製作する楽器ごとに振り分け、丁寧な音板カットを行い、再度人工的な乾燥を行った後に調律、塗装、検査の段階へと進み完成となります。調律においては、少し削り方が変わっただけで音色が変わってしまいますので、非常にデリケートな作業が繰り返されます。

このこだわりと、製造における確かな技術は世界のトッププロにも多く愛用され、現在、こおろぎ社の製品は世界中のホールで幅広く使用されています。また国内生産においては第２位（３５％）のシェアを誇ります。こおろぎ社はマリンバのほかにも、シロフォン（硬い音が出る木琴）や、グロッケンやビブラフォンといった鉄琴の製造もおこなっておりますが、高い技術と製造管理に裏付けされた楽器は、世界中の鍵盤奏者に愛用され続けています。