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ティンパレスという楽器は、浅胴の胴体で鼓面にだけヘッドが張ってある楽器で、スネアドラムに似たような形状のものが２つ横につなげてある楽器です。ただ、形状はスネアドラムに似ていますが、底面のヘッドがない事や、スナッピーを用いられない事が大きな違いと言えます。材質は金属性の胴体にプラスティックのヘッドが張ってあるものが主流です。また、ティンパレスは専用の形状をしたスティックがあり、通常のスネアドラムのスティックように先端にチップがついているものではなく、スティック自体が先端まで、まっすぐ均等な作りになっています。

音色としては鼓面やリム（ヘッド周りの金属部分）を使い分ける事でドラムセットのタムタムのようなサウンドや、金属音を響かせたような高音まで幅広いサウンドの表現幅を持っています。それと、指で鼓面と叩く奏法や、ティンパレスの胴体自体を叩きながらリズムをキープする奏法など、ミュージシャンによって、様々な使い方がされていて、奏法とサウンドの表現幅は現在も進化を続けています。

この楽器の基本的なセットスタイルとしては、２つの太鼓が横並びになっている形ですが、よりサウンド表現幅を広げる為に、口径が狭く高音がでるティンバリートスや、口径が広く大きな低音が出るサンダーティンバレスなども一緒にセットに組み込んで使うミュージシャンも多く、これらのセットに複数のカウベルや、ウッドブロック、シンバルなども加えてドラムセットの変わりになるようなセッティングを組んで演奏するミュージシャンもいます。前述のようにセットを組むスタイルはドラムティンバレスと呼ばれ、ドラティンという略称で呼ばれています。

ティンパレスの代表的な奏者としては、ティト・プエンテといったラテン音楽界を代表するミュージシャンをはじめ、ニッキー・マレーロ、オレステス・ヴィラト、チャンギート、カール・ペラーゾ、といった世界的ミュージシャンの名前が挙げられ、このティンパレスという楽器のサウンドはラテン系のミュージックには必要不可欠なものとなっています。