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パラジウムというのは、ホワイトゴールドや純度が100％ではないプラチナ製品などによく使われている貴金属の一つとなっています。パラジウムの歴史というのは意外に浅く、1803年にイギリスの物理学者のウオラストンによって発見されました。

パラジウムという名前の由来は、当時発見されて話題となっていた小惑星の「パラス」が由来とされています。パラジウムは元素的に考えると白金族の仲間とされていて、プラチナに似たような特性を持っているために、装飾品だけではなく、電子や電気関連の材料、そして歯科用などでも使用されていることで知られています。

パラジウムの需要と供給のデータを調べてみると面白いことが分かります。パラジウムの需要や消費については、日本・北米・欧州で世界全体の90％以上を消費しているということがデータで明らかにされていますが、産出国や供給国を見てみると、ロシアと南アフリカ共和国だけで世界全体の90％以上ということになっています。生産国と消費国が全く異なるということになっていますので、貿易の観点から見ても面白いデータだと思われます。しかし、近年では世界最大のパラジウムの産出国となっていたロシアでの産出量が激減しているためにプラチナ製品と合わせてパラジウムを使用している製品の価格が上昇している傾向にあります。

パラジウムの特性としては、水素を吸収しやすいという性質を持っていて、実に自分の体積の935倍もの水素を吸収するために、水素吸蔵合金として利用されることが多くなっています。特に近年では、歯科治療でパラジウムが用いられるケースが多く、一般的に使用されている銀歯というのは、金銀パラジウムの合金となっていて、パラジウムの含有量が20％以上となっているために、義歯に使われる貴金属の中では最もパラジウムの含有量が高いとされています。

装飾品としてパラジウムがメインで使われるPd500では、かつて銀合金と呼ばれていましたが、近年ではパラジウム合金という名称で定着しています。