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メイド服について
まず、そもそもメイドとは、元来、西洋文化でいうところの「メイド」、すなわち家庭内に入り込んで(時には住み込みで)家事全般をこなす家事使用人(日本でいえば、「家政婦」といった方が通りがいいかもしれません)のことをいいますが、そのメイドの仕事着(ユニフォーム)が「メイド服」なのが本来です。現代の日本においては、特にその中でも、かつて19世紀末ごろにイギリスに実在した家事使用人やハウスキーパーたち(すなわちメイド)が着用した、特定の傾向の範囲内に属するエプロンドレスのことを指して「メイド服」と呼ばれることが多くなっています。なお、ここで「メイド服」と呼ぶのは、本来のメイドさんの仕事着という意味ではなく、もっぱらサブカルチャーとしての文脈で語られるものであることに注意が必要です。ですから、ここでいう「メイド服」は、本来のユニフォームとしてのメイド服ではなく、あくまでもそのレプリカであるというわけです。
さて、それでは、このサブカルチャー的な文脈としてのメイド服とゴスロリ(ゴシックアンドロリータ)ファッションとの関係性はいかなるものなのでしょうか。これら両者は、よく混同されたり理解があまりされていないことから問題となります。この点、結論から言ってしまえば、メイド服とゴスロリファッションは、一応別個の違うものであるということが正解なのですが、両者はさまざまな点において共通する部分があり、あまり区別することが意識されない場合やそもそも区別すること自体が意味をなさない場合も多い現実もあります。
例えば、よく秋葉原などでいわゆるメイド服を着用したメイドさんの格好でメイドカフェのビラを配って宣伝にいそしんでいる様子が見られたりします。しかし、このメイドさんのファッションをよく観察してみると、純粋な意味でのメイド服ではないことがわかってきます。すなわち、「メイドさん」の頭の部分には、白いカチューシャ(本来の意味でのメイド服では定番のもの)ではなく、黒いリボンのアクセサリーを付けていたりします。また、ボーダーのニーソックスや釣り鐘型に膨らんだ膝丈のスカートなども着用していたりもします。
実は、これらのファッションの特徴は、ロリータファッションの定番であって、本来の意味でのメイド服とは微妙に異なっているのです。一方で、これら両者の共通点として挙げられる特徴としては、モノトーン的なカラーリング、エプロンドレスを用いる場合があること、19世紀的と表現できる装飾性を持ち「フリフリした」派手な服装であること、などがあります。この両者の区別と共通点は押さえておきたいポイントです。
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