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スポーツマティックの中でも特に人気のスポーツマティック5デラックス7619-7010についてご紹介しましょう。今でも販売され続けているセイコー5のご先祖で、初めて5がついたのはやや前のモデルでこれではないようです。初代5は1963年に発売され、5の持つ意味は切れないゼンマイ、耐震装置、防水、日付曜日表示、自動巻き、ですがオールド国産腕時計のバイブルである通称トンボ本によると、耐震装置、防水、曜日、自動巻き、となっています。当時のカタログや広告がないので、実際に手に入れば確認したいところですね。

5で画期的だったのは3時の位置の一枠内に日付曜日が表示されたことで、現在では当然のスタイルですが、5では初めて採用されました。このモデルはデラックスとあるように通常の5と比較して石数が増えたり、意匠も追加装飾されました。価格においても通常品が8800円で、デラックスが10500円だったそうです。時計自体の価値も現在とは違っているので、単純に比べられないですが、当時の大卒の平均初任給が24000円だったそうなので、普及品とは言っても現在の5とはかなりグレードが違っていることが理解できます。

実際に現在の5と比較してみても、ケースのエッジの立ち方や仕上げ、それぞれの部品のシャープさなど、見た目はオールドの方が圧倒的に美しいと言えるでしょう。デザインに関しても現行の5にありがちなやっつけ感もなく、部品の大きさや配置も絶妙です。ただ、GSやKSのような高級感はありませんが、全体的にスタイリッシュな印象です。

使い勝手については5の方がいいです。まず、曜日早送りがありません。この年代だと仕方ないのですが、初代マチックから引き継いだ4時位置埋め込みリューズがちょっとやっかいです。そもそもこの埋め込みリューズは初代マチックで手巻き機能をなくして自動巻き時計はリューズ操作の必要はないということで4時位置に埋め込んだそうです。