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ベロモービルとは屋根付きの自転車のことで、競技用のものはストリームライナーと呼ばれます。ベロモービルはリカンベントトライクをフェアリングで覆ったものがほとんどで、搭乗者の頭に車体がおおわれていない車種と、全身がおおわれる車種がありますが、覆われないモデルは視界や音が遮られないですし、運転者の体温を逃がすことが可能です。その一方で、全身がおおわれる車種については雨に濡れることなく運転できますが、風防がくもったり、凍結する場合があります。多くの車種では日常的に使う上での利便性や快適性を考えて設計されており、幅広のタイヤやフルサスペンション、荷物スペースなどを装備しています。ですが、重量が30キロほどと重いので上り坂では運転者の負担が大きくなり、この点を克服するために電動アシスト装備されたベロモービルが製造されました。

同時に省エネの観点からもベロモービルは注目されています。ベロモービルはは1930年代に誕生し、ミニカーとともに第二次世界大戦頃のヨーロッパで流行したようです。スウェーデンではファントムと言われる設計の図面が発売され人気となり、10万枚以上の設計図が売れたようですが、実際に完成させた人はごく少数でした。経済の発展とともに動力付きの乗り物が主流となったため、ベロモービルは衰退の一途をたどりました。

1970年代になると、タンデム型の2座席方式となり、鉄製のフレームにプラスチックのボディをかぶせたPPVと言われるものが生産され、座席は快適で貨物スペースがあり、2つの座席の両方にペダルがあるなどと日常的に使う乗り物としての機能がありました。ですが、重量が50キロもあり重く変速ギアが3段でブレーキの効きが悪いなどのデメリットがあり、1983年Carl-Georg Rasmussen　が古い設計図を再発見してそれを現代風に手直しして　Leitraを製作しました。これは現在一番長期間販売されているベロモービルとなっています。

ベロモービルの代表的なオランダのメーカーと言えばAllewederがあります。1993年に創業した比較的安く手に入るメーカーで、2002年にはモデルチェンジが行われ、価格はフェアリングキットで2500ユーロからとなっています。