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ハンドベルが生まれたのは17世紀のイギリスのことで、当時教会にあった鐘は建築技術の発展とともに精度が上がって、その鳴らし方も規則性を持つことで時刻を周りに知らせるなど、洗練されたものでした。そんな規則性を伴った演奏法ができるためには練習する必要がありました。しかし、警報や時報などのような役目もある鐘なので、簡単に鳴らすわけにはいかなかったのです。そこで考えられたのがミニチュアの鐘に柄のついたハンドベルです。

ハンドベルとは教会音楽に育まれ、19世紀になるとアメリカにわたってイングリッシュハンドベルとして定着したのでした。ちなみに、ハンドベルという言葉については現在もイングリッシュハンドベルのことを指しているようです。その後、イングリッシュハンドベルを身近なものにするため生まれたのが、シンプルなスチール製のハンドベルであるミュージックベルです。イングリッシュハンドベルは音楽の道を目指す人の高い演奏技術に応えられるもので、クラッパーやスプリングの設定によってベルの音質や音量を調節できるハンドベルです。その音色はまさに磨きがかかった天使の歌声のよう。

とっても素晴らしい楽器だと言ってもいいのですが、付き合っていくのはそう簡単なことではありません。まず、広い音域をカバーするため、ベルの数もたくさんあります。たとえば、5オクターブのセットですと61個もあり、高音ベルについては200ｇもあり、風鈴のようにかわいいです。低音ベルはバケツなみに大きく、8キログラムもあったり、持ち運ぶのはちょっと大がかりなものとなっています。

なお、ハンドベルが生まれたイギリスにはホワイトチャペル社という歴史あるメーカーがあり、日本ではこのホワイトチャペル社のイングリッシュハンドベルを取り扱う楽器店がほとんどないようです。価格についても他のメーカーの2倍もするのでちょっと手が出にくいかもしれませんね。ぜひ、チャンスがあればハンドベルを演奏してみてはいかがでしょうか？