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　「愛知ブランド企業」や「とよはしの匠」認定の他、「ニッチ市場のイノベーションを先導する企業」の事例として中小企業白書でも紹介された気鋭のメーカー、ファインモールド。 　モールド mold とは成形用の型、鋳型などのことですが、プラモデルで言うモールドは、外板の合わせ目（パネルライン）を表現する、いわゆる「スジ彫り」およびその型取りを意味することが多いようです。特に航空機モデルでは、金型に刻まれるモールドの精密さが、製品としての完成度の決め手ともなります。

　プラモデルを「小さな実物」であると考え、「資料探求とその再現」をモットーとする姿勢が、この社名からも読み取れます。スケールモデルの開発では可能な限り実物や原資料（製造・建造当時の設計図や便覧など）を参照、実物の存在しないキャラクターモデルであっても、撮影用ミニチュアや設定資料を綿密にリサーチした上で、高度な加工技術を駆使して製品に仕上げています。

　そのようにして生み出された代表作の一つが、スタジオジブリとの共同企画『紅の豚』のシリーズ。宮崎駿監督自らの監修による、ポルコ・ロッソの愛機サボイアS.21や宿敵カーチス、原作『飛行艇時代』版のフォルゴーレ号を含む1/72スケールモデルと、機体内部やエンジンまで再現した1/48モデルがラインナップされています。

　1/72スケールでは、メッサーシュミットBf109やMe410の様々なタイプを取りそろえたシリーズの他、カ号観測機（オートジャイロ）、試製景雲といった珍しい機体が見られます。1/48でも彗星、烈風の各タイプや日本初のジェット機橘花、ロケット戦闘機秋水、特攻機桜花とその練習滑空機、陸軍最後の複葉戦闘機九五式など、うならされるようなセレクト。

　航空機ばかりではなく、ミリタリーシリーズでは1/35で日本陸軍や陸上自衛隊の戦闘車両、フィギュアや山砲に加えて、幻の超重戦車［オイ］を1/72スケールで再現。艦船シリーズとは別に、回天や甲標的を1/72モデル化した〈小型潜水艇シリーズ〉もあります。 　各スケールの航空機、艦船、ミリタリーモデルに対応するディテールアップパーツを用意。特に３次元レーザー彫刻や最先端の成形技術を投入した微細パーツは、ファインモールドならではの製品です。

　他には松本零士監修の〈メカニクルユニバースシリーズ〉、『ガールズ&パンツァー（ガルパン）』の1/35戦車モデル、鳥山明デザイン・監修の兵士フィギュア〈1/12?スケール　ワールドファイターコレクション〉。過去にはXウィングやミレニアム・ファルコン、『スカイ・クロラ』の登場機体もモデル化されました。

　面白いところでは、〈オトナの社会科見学シリーズ〉として1/500愛知県庁本庁舎（昭和13年竣工の登録有形文化財）など。地元へのリスペクトも忘れていません。