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　Monogramは、1945年に創業したアメリカの模型メーカー。プラモデルに参入する前は模型飛行機を作っていました。飾って楽しむのではなく、飛ばすためのモデルプレーンです。同じような出自のプラモデルメーカーは他にもあり、たとえばアオシマの前身は「青島模型飛行機」。自動浮沈式の潜水艦モデルや楽器のプラモ〈ミュージックシリーズ〉で知られる日本模型（ニチモ）も当初は、竹ひごと紙で翼を組むライトプレーンを販売しました。世界で初めてプラスチックモデルを売り出したイギリスのIMA社も、ゴム動力の模型飛行機を出発点としています。

　航空機のフォルムは、空を飛ぶという機能の一部。それは模型飛行機でも同じこと。玩具のようでも実際に飛行するモデルを手がけた経験が、飛ばないけれど真に迫った模型を開発する上でアドバンテージになったのかもしれません。モノグラムは航空機のスケールモデルで頭角を現し、60年代には筆頭格のメーカーとなります。

　同時期にプラモデル製造販売をはじめた老舗レベル社（Revell）も、航空機モデルを主力商品としており、両社は競合関係にありました。1/48スケールを中心に据えたモノグラムに対してレベルは1/72や1/32が主、といった違いはありましたが、共に精巧なモールドやリアルなディテール表現で高い評価を得ます。レベルが発売した1/40スケールのA-1スカイレーダーは、あらゆる舵面が動き、脚の収納も主翼の折りたたみもできるフル可動キット。一方、モノグラムの1/32モデルP-51Dムスタングは、特徴的なバブルキャノピーばかりか全体がクリア成型。機体内部を見られる上に、二つのモーターを使ってプロペラを回転させ、主脚と尾輪を出し入れするという豪華な仕様でした。

　70年代、日本ではバンダイが代理店となって多数のモノグラム製プラモデルを販売。レベル製品は60年代からマルサン、グンゼ、タカラと提携先を変えて販売され、両社とも優れたキットメーカーとして認知されました。

　艦船やAFVのキットは多くありませんが、モノグラムのキャラクターモデルには面白いものがあります。解散したオーロラ社の金型を引き継ぎ、同社の名高いモンスターモデルの一部を再発売。この中にはゴジラの姿もありました。また、バンダイ製品のOEMではありますがグレートマジンガー、ライディーン、グレンダイザー、ガイキング、ゲッタードラゴンといった日本の名だたるスーパーロボットモデルも販売。これはモノグラムを買収したマテル社（バービー人形で知られる玩具会社）による “SHOGUN WARRIORS” という玩具シリーズの一環でした。レベルも向こうを張ったのか、イマイやタカラのOEMで “ROBOTECH”（タツノコプロが制作したマクロス、サザンクロス、モスピーダの3作品をアメリカで再編集して一つの物語としたTVアニメ）シリーズを展開しています。

　昔からM&Aが盛んなお国柄のこと、モノグラムとレベルも幾度かの買収を経て、1986年に両社は合併、レベルモノグラムとなりました。その後、旧モノグラム製品はレベルブランドへと移され、社名はレベル（Revell Inc.）に。現在はハセガワが提携しています。