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ロレックスGMTマスターIIという腕時計についてご紹介しましょう。ロレックスGMTマスターIIはパイロットウォッチとして生まれた時計で、ベゼルが昼夜区別できるように色分けされており、24時間表示の回転ベゼルと、GMT針、独立で動く短針との組み合わせより第3時間帯であっても読み取れるようになっています。なので、世界中を飛び回るパイロットの愛用者が多くなっています。24時間で一周するセンター針と、それに対応する24時間メモリ付き回転ベゼルを初搭載したのがこのモデルでした。

例えば、日本からロンドンへ旅行に行ったとして、現地に到着した際に時差の分だけ時計を遅らせる必要があり、さらに回転ベゼルも9時間分回転させれば24時間表示針が示しているベゼル状の数字が日本のホームタイムを表すことになります。地球上の二つの場所の時間を表すGTM機能は今でこそ一般的な機能となっていますが、発売された1950年代当時ではかなり画期的なものだったようです。そして国際化時代を象徴した国際派ビジネスマンたちの憧れの高級腕時計だったのです。

この時計が生まれるためには3つの要素が必要でした。まずひとつめは、ダイバーのためのまたは探検家のための、といった具合にロレックスは特殊な目的の時計の開発を目標にしていたということです。二つ目は、すでに独自の技術だった回転ベゼルの有効利用を模索していた、ということです。最後に三つめですが、1952年に初就航した大型ジェット飛行機に注目し、海外旅行者がかなり増加することを予測していたことです。こういった三つの要素が絡み合った末、生まれたのがこの時計でした。

それ以前にもワールドタイマー機能を搭載した時計はありましたが、それらはあくまでもコンプリケーションで24時間針と回転ベゼルの操作だけでセカンドタイムを表示できるようにしたのはロレックスの偉大な発見だったと言えます。なお、現在のモデルはGMTマスターⅡ　REF.116710LNとなっています。ぜひ、一度実物をご覧になっていただきたいです。