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DJIは世界のドローン市場を席巻する最大手の中国メーカーで、主力商品であるクアッドコプター「Phantom」を発表したのは2013年です。Phantom1は、アクションカメラGoProを装着して誰でも空撮（空中からの撮影）ができるドローンとして発売されました。続くPhantom2の「Vision+」モデルでは、機体の振動や揺れを吸収できる3軸ジンバルとカメラが標準装備され、2015年発売の「Phantom3」は、カメラで捉えた周囲の映像をもとに機体の位置や姿勢を修正できる機能が加わって、さらに高い安定性を獲得しました。プロフェッショナルモデルでは4K映像の撮影にも対応しています。

Phantom3は、離陸させるとその場でホバリング（空中停止）して移動の指示を待ち、移動させてから指示をやめると、その位置と高度を保って再びホバリングします。GPSで機体の現在位置と操縦者の位置を常に把握しているので、飛行させる空域の制限を設定したり、ボタン一つで離陸地点へ戻せます。飛行時間は25分で、バッテリーの残量が乏しくなったり、コントローラーからの操作信号が途絶した場合にも自動帰還します。FPV（搭載カメラの視点で、空中からの映像を手元で見ながら操縦できるシステム）の映像伝送には、アマチュア無線免許無しで利用できる2.4GHzを使っています。

2016年発表の「Phantom4」は、複数のカメラで周囲の物体を三次元的に認識できる能力を備え、障害物を自動で回避したり、追尾用の発信機などを使わずに被写体を追いかけて飛べるようになりました。最高時速は72km、最大28分の飛行が可能です。

しかし空撮用ドローンとしては、Phantomはまだエントリーモデルです。「Inspire1」は、離陸すると4つのモーターを支えるアームが着陸脚ごと持ち上がり、カメラの視野を妨げなくなるので、機体の向きを変えずに360度のパン（カメラを横方向に振ること）ができます。さらに大型の「Matrice600」はプロの映像製作や産業用途に利用できるヘキサコプターで、滞空時間は最大40分、6kgまで積載可能です。GPSと、地上に設置した基地局からの較正電波を併用して、2cmから3cmの誤差で機体をコントロールできます。農薬散布用に設計されたオクトコプター「Agras MG-1」も発表されました。