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Parrotは、ワイヤレスヘッドホンやハンズフリーキットなどで知られるフランスのメーカーです。2010年1月に「AR.Drone」を発表しました。これは4つの回転翼を持つクアッドコプターで、高性能のジャイロセンサーにより自動で安定します。iPhoneを操縦器にして、機体に搭載されたカメラから送られてくる映像を見ながら、初心者でも簡単に飛ばすことができました。この年の9月には日本でも販売開始、翌年にはAndroid端末にも対応しています。およそ25万機を出荷する大人気となり、発売から2年ほどの間に、これを使って空から撮影した動画がYouTubeに何万本も投稿されています。安定性と操縦性を高めカメラ機能を強化した「AR.Drone2.0」は、操作画面をダブルタップするだけで宙返りも可能となりました。

2014年に発表された「Bebop Drone」は、一層洗練されたモデルです。3軸のジャイロや加速度計だけでなく地磁気センサー、気圧計、超音波高度計、垂直方向カメラによる対地速度計測も加えて、極めて高い安定性を見せ、屋内であれば空中に貼り付いたかのように静止します。フルHD、1400万画素の内蔵カメラには、機体の揺れや振動による画像の乱れをデジタル処理で取り除く機能があります。スマートフォンやタブレットを装着して使う「スカイコントローラー」も用意され、操縦できる距離は最大2kmまで拡張可能です。内蔵カメラからのライブ映像伝送には、アマチュア無線免許不要で利用できる2.4GHzのWiFi接続が使えます（5GHz帯でも接続できますが、屋内のみに制限）。

Bebop Droneの本体重量は400gです。2015年12月に施行された改正航空法（バッテリーを含めた本体重量が200gを超えるドローンの飛行を制限する）の対象となり、気軽にどこでも飛ばせるわけではありませんが、操縦するというより指示を出すだけで正確に飛んでくれる信頼性は、飛行ルールを遵守する上でも心強いものです。

Parrotからは「Minidrones」（ミニドローン）シリーズも発売しました。これはドローン規制を悠々とクリアする軽さで、子供でも安全に扱えるトイドローンです。クアッドコプターに車輪を装着し、壁や天井を走れるようにした「Rolling Spider」、ボディにレゴブロックと同じ突起があって、デザインをカスタマイズできる「Airborne Cargo」、時速14kmで地上走行し、垂直・水平とも75cmのジャンプ力を持つ「Jumping」シリーズ、クアッドコプターを推進器にして水上を走る「Hydrofoil」など、面白い機体があります。