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エディ・メルクス氏は生涯通算525勝の自転車競技選手であり、100年以上にもわたる自転車競技の中でも圧倒的な勝利数を誇っています。エディ・メルクス氏は大会規模やライバルとなる選手に関係なく出場するレースにおいてすべて貪欲に勝利を狙っていく姿勢から、カニバルと呼ばれており70歳となった現在でもロードレース界に大きな影響を与えています。そのたぐいまれな身体能力や努力に加えて彼は525勝を成し遂げた背景にあるのは、異様とも言っていいほどの機材へのこだわりでしょう。

デローザの創業者である名匠ウーゴ・デローザ氏自らが作るフレームを1年間に50本も注文し、さらにカンパニョーロに特注のチタン製パーツを作らせたという想像できないような逸話も残っています。そして引退した彼がデローザで修業を経て立ち上げたのがエディ・メルクス社でした。常勝ブランドとしてクイックステップなどのブランドと共に数多くのビッグレースで貢献しつつここ最近は元気がなかったこのエディ・メルクス社。

このエディ・メルクス社の現行モデルはハイエンドモデルのEMX-525を除いてすべてメルクス氏の数多くの優勝リストの中でもカギとなるレースが行われた年号を場所を社名に冠しているのが特徴です。今回インプレッションする「Sallanches（サランシュ）64」というモデルはメルクス氏が19歳の頃制した1964年のアマチュア選手権の開催地で、その後プロ転向するきっかけとなったフランスの街サランシュの名前を冠している1台となっています。つまり、サランシュはメルクス氏にとって始まりと同じ意味であり、初めての1台やレースデビューにぴったりだという思いが込められています。

2016年のラインナップの中でもエントリーグレードという位置づけで、その設計コンセプトというのは高い剛性と柔軟性の両立、となっています。角の立った多角形断面のチューブの形状をプロが使うハイエンドモデル「EMX-525」から踏襲しつつも癖のないコントローラブルなバイクを目指しています。逆三角形のダウンチューブからBB86規格であるワイドなBB　シェルやアシンメトリーなデザインを採用することで剛性を高めており、駆動効率アップを図っています。