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　有線による電力供給で活動する、という設定を初めて知った時、頭に浮かんだのはブリキ玩具の電動ゴジラ。電池ボックスを兼ねたコントローラーと本体が、細いコードでつながっていたのです。そういえば同じガイナックス作品『ふしぎの海のナディア』に登場した人造人間タンクも有線リモコン。身体を機械化されたネオ皇帝も、外部電源に接続された太いケーブルが命の綱でした。拘束されていなければ動けない、この不条理が怪しい魅力を帯びるのでしょうか。

　電力線を引きずりながらもスーパーロボットばりの動きを見せるエヴァンゲリオン。特殊装甲に覆い隠された本体は、血の通う生体部品で構成されています。その可動フィギュアを開発するとなれば、機械と違って継ぎ目のない、人造肉体のイメージを追究する方向に向かうのは当然のところ。肘や膝に露出する関節が目立たないようにデザインしたり、柔軟な外皮で隠した製品もあります。とはいえ、画面の中で地を波打たせんばかりに走り、跳び、躍動するのは、ウルトラヒーローを彷彿させる巨体。手に取って愉しむフィギュアにも、普通のメカニックとは異なる密度、重量感が欲しいところです。ついでに言えば、どこか人を拒むような、硬く冷たい手触りも。

　バンダイの〈超合金魂〉第14弾となったエヴァンゲリオン初号機。敢えて「ロボットとしてのエヴァ」を表現したというモデルで、硬質なフォルム、塗装もメタリック。アニメのイメージとは異なりますが、ダイキャストの質感は、ミステリアスなキャラクターを逆方向から浮き彫りにしているようです。巨大ロボットとして見れば特異なデザインといえるエヴァンゲリオン。金属でできた異生物、「鉄の夢」エヴァといったところでしょうか。お披露目前に消滅した四号機を含め、TVシリーズ版の6機種がラインナップ。

　2007年にスタートした〈魂SPEC〉シリーズには真っ先に登場しました。装甲という名の拘束具を素体に被せた構造で、裸身の再現も可能。得体の知れない人造人間の雰囲気が漂います。合金素材は外装の一部のみですが、高い可動性を持たせたアクションフィギュアで、新劇場版の機体も加わっています。