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　「静岡県御前崎の灯台まで来い……」謎めいた呼び出しに応じて赴いた、太平洋に臨む岬。見下ろす夜の海面に、まばゆい灯火の列が光る。海中の誘導路をたどり、浮かび上がってくる黒い影。波を割って現れた巨大な竜は、重々しい金属音を響かせながら、海水をしたたらせ宙に浮かんだのでした。

　1976年、TVに出現した全長400mの地球防衛移動要塞、大空魔竜。鬼面のようなその頭部は分離して発進、本体から射出されたパート1（両腕）パート2（両脚）を空中で結合させ、戦闘ロボット・ガイキングとなります。頭には巨大な2本の竜角、胴体は竜の髑髏そのもの。シリーズ後半では改装され、顔の外板を跳ね飛ばして（「フェイス・オープン！」）奇怪な超兵器ヘッドを露出させる強化ガイキングとなり、異形の姿を深く印象づけました。

　当時ポピーが発売したDX超合金の大空魔竜は、劇中同様に頭部（パート3）を取り外してガイキングの組み立てが可能。別製品の超合金ガイキングよりずっと小さいのですがダイキャスト製で、両手はパンチ発射、カウンタークロス（脚に装着されている十字ナイフ）を持たせることもできるし、脚の関節も動きます。手足などのパーツは、大空魔竜の背中を開いて、内部にきちんと整理収納できました。一方、スタンダード版超合金の大空魔竜はガイキングを発進させられない代わり、ぐるりと曲げた尾の先端を首と接続してボリューションプロテクト（渦巻き防御態勢）を再現。胴体の中には恐竜型の搭載機スカイラー、ネッサー、バゾラーを格納していました。

　そして四半世紀の時を隔てた〈超合金魂〉GX-05大空魔竜は、ガイキングパート1、パート2と、恐竜戦隊3機を共に搭載。尾は引き出し式の関節で大きく曲がるので、ボリューションプロテクトも可能。アニメの設定通り、四対の背びれも可動して各々一枚に合わさります。ガイキングには超兵器ヘッドを含む強化型の差し替えパーツも用意。25年前、旧製品を手にした子供達は、まさにこのようなモデルを夢見たはず。

　GX-27として単品のガイキングも発売されています。腹部に位置する竜の顎は前方に突き出して開くことができ（実際、キラーバイトという噛みつき技があったのです）、両角も動くので、先端を敵に突き刺して高圧電流を叩き込むパライザーのポーズもとれます。パート1、2を外すと大空魔竜の頭に変形。もちろん強化ガイキングへ換装でき、超兵器ヘッドを内蔵した（つまり、フェイスプレートを取り外せる）頭部パーツも付属しています。