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　株式会社北大路書房は1948年に設立された出版社です。心理学を中心に、教育・福祉・保育などの専門書籍を刊行しています。また、1988年に人種差別に関わるとして一斉に絶版となった絵本『ちびくろサンボ』の改作本『チビクロさんぽ』を出版したことでも知られています。

　北大路書房の絵本、関連本として次のようなものが挙げられます。まず、岡本拡子・桐生正幸 編著『幼い子どもを犯罪から守る！ 命をつなぐ防犯教育』を取り上げます。子どもが被害者となる凶悪な事件がマスメディアで大きく報道されていますが、幼い子どもたちは自らを守る力と方法を持っていません。犯罪から子どもを守る方法とは何か。親であり専門家でもある著者陣が、真正面から取り組み、その英知を結集しました。親子で読めるように「カラー絵本」が付いています。

　次に、市川伸一 編『「チビクロさんぽ」の出版は是か非か』を取り上げます。絵本『ちびくろサンボ』は人種差別に関わるという理由で絶版になっていましたが、児童文学の古典が心理学者の手によって『チビクロさんぽ』として復活しました。この絵本の出版をめぐって、心理学者と心理学専攻の学生らを中心に賛否両論が飛びかいました。１カ月間の電子メール上での大激論を臨場感そのままに編集し、巻末には、きたやまおさむ・中山千夏・日垣隆・灘本昌久氏のコメントも収録しています。

　森まりも 著『チビクロひるね』は『チビクロさんぽ』の続編で、オリジナルの創作絵本です。犬のチビクロが、夢の中でお腹を空かせたトラのワッサンに出会います。また、「だじゃれ」を超越した言葉遊びのイマジネーション世界が繰り広げられます。親子で遊べる“ワッサンあそび”も付いています。

　次に、山口大学教育学部附属幼稚園 著『ゆうくんのうた 援助的保育のイメージ提言』では、現在の幼稚園・保育所の子どもたちの生活・思い・育ちゆく姿を描ききりたいという著者らのひたむきな思いをこめて、これからの幼稚園や保育のあり方を「物語」のかたちでイメージ化しています。絵本のように読み進めることができる日常の保育を考える本であるので、子どもとかかわるすべての人に読んでいただきたい本として勧めます。

　北大路書房の絵本を紹介しました。親子で読む絵本がありますが、保育や教育に関わる現場の人向けの専門書の印象が強いと思います。