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株式会社ニコン（Nikon）は、カメラなどの映像製品、半導体、顕微鏡や測定器などの開発・販売までを手掛ける大手メーカーです。現在測量機器を扱っているのは、株式会社ニコンとアメリカのTrimble NavigationLimitedと、出資比率を50対50の合併企業として創立された株式会社ニコン・トリプルです。株式会社ニコンは、日本初となる光学機器メーカーである「日本光学工業株式会社」として1917年に誕生。そして、1978年に創立したアメリカのTrimble NavigationLimitedは本社がカリフォルニア州サニーヴェールにあり、GPSの開発会社として最先端のGPS機器を世に送り出してきました。

独自の測量技術や通信技術を組み合わせ、測量や建築、カーナビゲーションなどの幅広い分野で技術を提供しています。特にニコン独自の技術として有名なのが、トータルステーションなどに採用されている合焦方式です。固定焦点の非合焦光学系は、照射されたレーザーの広がり具合が固定していますが、合焦工学系の場合視準望遠鏡のフォーカスを変更することで、レーザー光が代わり照射範囲が視野内で確認できるようになります。そのため、測量時に視野内に自動車や歩行者などが通過しても影響を受けずに目標物のみを正確に計測することを可能にしました。

また、産業用ロボットのモータを制御する測定制御用センサーである多回転アブソリュートエンコーダなどの先端テクノロジーもニコンの強みです。産業用ロボットの関節部分はサーボモータの回転によるものですが、これらの動作を測定し制御しているのがエンコーダ。このエンコーダにはインクリメンタルタイプとアブソリュートタイプの2種類があり、インクリメンタルタイプは、開始時に必ずゼロの地点に戻る（原点復帰作業）の必要があるのが特徴です。

それに対し、アブソリュートタイプの産業用ロボットは、原点復帰作業をせずとも電源を入れることで絶対位置を検出してその場で作業再開を可能にしました。そのため、途中で製造ラインの電源が落ちた場合にゼロ地点に戻ることでロボットと製品の接触事故の可能性をなくすことに成功。作業の効率アップに貢献しました。