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アナログを始める人のために、フォノイコライザーの役割について書いてみたいと思います。CDやDVDなどといった出力は基本的にライン出力と言い、200mボルトほどの電圧で送信されているのに対して、フォト出力というアナログプレイヤーから出ている信号は0.1～5mボルトほどで、それをラインレベルにまで増幅する必要があります。

また、アナログレコードは、音波振動をモノラルによって横方向、ステレオでは45度方向に溝として刻むことにより、低域レベルが大きいと溝の振り幅が大きくなり、正確にトレースできなくなることがあります。ですので、音溝には前もってRIAA カーブと言われる特定によって音域を大きめに、低域を小さめに収録しており、再生する際にそれを復元する必要があります。以上の2点がフォノイコライザーの役割というもので、最近はそういったフォノイコライザーを搭載していないプリアンプやプリメインアンプが多くなっていますが、そういったシステムにアナログを付加したい人は当然ながら、普及クラスから中級クラスのプリメインアンプの内臓フォノイコライザーを使っている人であっても、単体イコライザーを使うことをお勧めしたいです。

上で書いたとおり、非常に微小な信号を扱っているフォノ段は大きな電力を扱うパワーアンプなどと同居しつつも十分な性能を発揮させるのが困難です。そういった人におすすめしたい製品がオーディオテクニカの、AT-PEQ20という製品です。一般的に安い単体フォノイコライザーの場合、ラジカセやミニコンポでアナログを聴くための簡易型というイメージになりますが、この製品の場合はそういったものとは一線を画した本格派となっており、例えば、安いフォノイコライザーの場合はMM型のカートリッジだけなのに対応するものばかりですが、この製品はMC型にも対応可能となっています。ただでさえ微小な電気信号のフォノ段の中で、2～5mボルトほどの出力電圧があるMMと比較すると、MCは0.1～0.5mボルトほどしかなく、ゆがみやノイズが少しでもあるとそれをさらに増幅するので、MC対応というのは大変なことなのです。