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今でこそスマートホン、携帯電話、パソコンなどが日常的に使われ、どこでも誰でもいつでもインターネットの恩恵を受けられる”ユビキタス時代”を謳歌していますが、ここまでに至る歴史は各大手家電メーカーのたゆまぬ努力があったのです。 その礎になったのが、今ではほとんど見ることができない「和文タイプライター」であったといえるでしょう。

発売された当初は、女性専門のタイプライター中心に使われていました。 職場中心で、一般家庭ではタープライターを見ることはほとんどありませんでした。 現在では当たり前のように使っているパソコンや携帯電話の日本語での入力ですが、この仮名漢字変換の技術を築いたのは和文タイプライターでした。

それを発展させたのが、１９７８年に東芝で、発売されました、日本語ワープロ「ＪＷ－１０」でした。 発売された当初の値段は、６３０万円、と今では信じられない価格で、ビジネスで使うとしてもかなり高価なものでした。 重さは２２０キロ、片袖机ほどの、大きさの本体にキーボード、ブラウン管、１０ＭＢのハードディスク、８インチフロッピーディスクドライブ、プリンターが収められていました。 その重厚感には圧倒させれ、まるで職務机の趣を備えておりました。

それ以前の昭和４０年代までは、日本のサラリーマンは、自分で活字を操作することはできませんでした。 そこで頼っていたのは、和文タイプライターを専門に操作する、専門の女性たちでした。 その漢字は、常用漢字に限って、１９４５字あり、人名漢字２８５字を合わせて、２２３０字に及ぶ膨大な数でした。 漢字やひらがなが並ぶ文字盤の配列を記憶し、一つ一つ活字を拾っていく作業はまさに職人芸であったようです。 日本語は、５万を超える漢字とひらがなと、カタカナとの複雑な組み合わせを持っています。 そうした意味で、文書作成の簡素化は不可能と、長い間言われ続けてきました。

その簡素化に成功したのがワープロでした。 仮名漢字変換の技術がなかったら、現在の優れたスマホやパソコンが果たしてあったでしょうか。 その意味でタイプライターの果たした役割りは大きいものがあると言えるでしょう。