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古今東西さまざまな武具が造られ、争いに用いられてきました。鎧や兜、甲冑、小手、手甲など、日本はもちろんヨーロッパやアメリカ、世界の各地で歴史とともに改良されてきました。現在その歴史を研究するにあたって、武具の仕組みやそのデザインが見直されています。

時代劇などでよく目にする武具は、鎧が多いのではないでしょうか。鎧は装備することで重要な臓器のある胴や胸の部分を守ることができます。鎧の素材は技術の発展とともに革、青銅、鉄などさまざまな素材で造られ、板金を加工したものから鎖状にしたものなどバリエーションに富んでいます。西洋では紀元前4世紀頃にケルト人によって鎖帷子が発明され、ローマ時代には軍団兵の多くが鎖帷子を使用していました。やがて全身を覆い隠すプレートアーマーが発明されましたが、その防御性の一方で通気性が悪いことで熱中症に陥りやすいことから半甲冑が用いられるようになりました。

その雄々しさから注目を集める兜は、打撃や飛来物などから頭を守るためのもので、主に鉄で造られました。立物と呼ばれる兜の飾りは中世以降の武士の時代では武功を誇り、存在をアピールするためのものでした。そのため獣の角を思わせる一対の装飾をつけることが一般的でしたが、徐々に家紋やその由来を示すシンボルで兜を飾ることも増えていきます。そのため兜は行軍用と合戦用の二種類造られることもあったようで、前田利家の兜は行軍用に比べて合戦用は動きやすいよう軽量化されています。 その他日本ならではのユニークなものとしては、手裏剣等が挙げられます。主に威嚇や暗殺などに用いられた武具ですが、有名な十文字裏剣の他にも忍者裏拳や手裏剣、平型裏剣などさまざまな形の手裏剣が造られており、忍者の武器として有名なことから、外国では大変な人気があります。

争いごとに合わせて造られてきた武具。戦乱が過ぎ去った今では、その武具から在りし日の人々の勇ましい様を思いこすことができます。