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　2003年から14年まで存在した、シーエムズコーポレーションから発売された合金トイ。スーパーロボからリアルロボまで、数々のロボットキャラクターが見せてきた、心に残るさまざまなメカアクションを真っ正直に再現することを試みた、果敢なメーカーでした。一部の製品は、あまりにも凝りに凝ったギミックで有名です。

　最たるものはグレンダイザー。その外観からして、TVアニメのイメージとは趣の異なる豪華な光沢、輝くメッキ。いかにも高貴なフリード星王家の機体を思わせ、グレンダイザーと呼ぶよりむしろ、日本国内をはるかにしのぐ凄まじい人気を得たと伝えられるフランス版のタイトル『ゴルドラック』の名がふさわしいような姿ですが、驚くのはスクリュークラッシャーパンチ。前腕にある7本のスパイク全てにヒンジがついていて、画面の中で見られたとおり、収納状態から翻転して突き出されます。

　セットになっているスペイザーにも、円盤としての滑らかなフォルムを保ちながらダイザーとの合体を可能にする、複雑な展開機構が組み込まれています。そればかりか、スペイザーの縁のカーブに沿って収まる両腕の形を完璧に再現するべく、指一本一本を動かせる手首パーツが付属。両翼の先に装着された小型円盤は、4枚の花弁状ハッチを開いてスピンドリルをスタンバイ。もっと信じられないことに、スピンソーサー用の円盤パーツは、片面12枚、都合24枚の刃が全て可動して展開します。しかも、ダイザーからスペイザーへのパイロットシートの移動を、擬似的にではありますが、半自動メカニズムで見事に表現。

　これに比べるとおとなしく思えますが、ダイキャストを多用した『機動警察パトレイバー』98式AVイングラムは好評でした。コミック版で特に印象的だった関節部の布製カバーを再現したほか、マニピュレーターや足首のシリンダーが伸縮、パイロットシートが昇降する（喉のところの防弾ガラス板も動きます）など、可動ギミック豊富。両肩のパトライトはLEDを5個ずつ内蔵して、回転灯を思わせる光り方をします。TV版（限定品）、OVA版も発売。同じくらい重量感があって、黒光りのするグリフォンもラインナップ。

　他に目立つのは、勇者王ガオガイガー。劇中でのバージョンアップ、スターガオガイガー、ガオファイガー、ガオガイゴー、レプリガイガー、そしてジェネシックガオガイガーまでを網羅。鋼鉄ジーグ、ガ・キーン、バラタックのマグネロボシリーズ3作品。ジーグ・パーツは膝や足首まで分離して、磁石でビルドアップ。サイボーグ司馬宙（赤いパワーアップ版もあり）の身体を丸め、変形タイプのジーグヘッドの中に収めることができます。パーツ一式を収納可能なビッグシューターも発売。タイムボカンシリーズから、タイムメカブトン、ドタバッタン、クワガッタン、逆転王に三冠王。

　10年余りの間に多くの製品が発売されました。個別に見れば評判はさまざまだったことも事実ですが、それにしても、ペガスの両脚可動と南城二のセッタールーム収納を両立させ、背からテッカマンが現れる合金トイなど、まるで夢。いずれ伝説と化してもおかしくない品々です。