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　21世紀、滅亡の淵に立つ人類の未来を切り開くため、細胞レベルでパワーアップさせた肉体を鎧で固め、真空の宇宙空間で槍と鞭をふるって戦う『宇宙の騎士テッカマン』。1975年の放映当時、中嶋製作所が〈ウルトラ合金〉ブランドで商品展開しました。人間を一時的に超人と化すテックセット装置を内蔵したロボット、ペガス。人の身長ほどもある両脚をそろえて合わせると、その内部にセッタールームが形成されます。中に入った主人公・南城二がテッカマンに変わってゆくプロセスの描写は印象深いものでした。（にもかかわらずペガスは普段その脚を動かして歩くので、かなり複雑な構造。ウルトラ合金ペガスは脚の可動をオミットした上で、劇中では観音開きになっているセッタールームを、上下にスライドするシャッターで表現していました。

　同時期にタケミが発売した高さ30cmもある〈ウルトラジャンボ合金〉のペガスは、脚の付け根を回転させて開閉。そして現実の21世紀、アニメの設定通りの開閉を再現しつつ、股関節も膝も足首も動いてポージングできる〈BRAVE合金〉ペガスが登場。そのままだと空洞が丸見えになってしまう脚の内側は、分割された可動パネルで塞がれる仕組みになっています。セッタールームに入る南城二のフィギュアと、ペガスの背から出現するテッカマンのフル可動フィギュア付き）甲冑の騎士をモチーフにデザインされたテッカマンの姿は、重みのあるダイキャストモデルに似つかわしく、人気商品となりました。スペースナイツの宇宙船ブルーアース号と、ペガスに匹敵するパワーを持つ敵ロボット・ガニラも発売。 アニメキャラクターは、テッカマンの他にはグロイザーXだけで終わったのですが、ウルトラ合金には別の展開もありました。

　70年代後半のUFOブームに合わせた〈UFOシリーズ〉では、葉巻型母船の1号、ドーム型の偵察用2号、攻撃用アダムスキー型の3号に加え、ギミックが楽しいUFO秘密基地。〈スーパーファイター〉シリーズとして、当時の最新鋭戦闘機トムキャット、イーグル、ファントム、ファイティングファルコンなど。そしてベルトーネ、ピニンファリーナ、ミケロッティといったイタリアの自動車関連企業やカーデザイナーと契約して発売されたという〈ドリームカー〉シリーズ。1/38から1/36スケールで6車種。プロトタイプでありながらル・マンに出場したフェラーリ・ディーノ206コンペティツィオーネ。ベルトーネのコンセプトカー、ランボルギーニ・マルツァル。

　70年の大阪万博で公開された、ルーフ全体がドアになるフェラーリ・モデューロ。ミケロッティ・マトラ・レーザー、フィアット・アバルト2000クーペスペシャル、アルファロメオ・ナバホ。ドアやカウルが開閉、内装やエンジンも作りこみ、プルバック走行しました。ラインナップもさることながら、ミニカーではなく「合金」ブランドで販売されたのが珍しいところです。