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2007年にスタートしたこのブランドでは、ガンダム以後の、派手な合体変形をしないリアリスティックなロボットに着目しています。最初の製品は、リアルというより生々しいエヴァンゲリオン初号機。メカニックな〈超合金魂〉版と異なり、人造人間の素体をプラで造形し、その上に一部ダイキャスト製の装甲（拘束具）パーツを取り付けた構造です。『新劇場版』の機体も、大半の外装を作り直し映画オリジナルのギミックを組み込んで発売。翌年のリニューアル版はさらに改良され、足首の防護板が、すらりとした下肢のラインに寄り沿って動くようになりました。『破』クライマックスの覚醒バージョンも登場、紫の機体にビビッドな赤が映えます。

二番手は蒼き流星、SPTレイズナー。元々の大河原邦男デザインからアニメ劇中のイメージに近づけたフォルムで、両眼を中に収めた特徴的なキャノピーは開閉、両手のナックルショットも可動します。パーツ交換で新機体（ニューレイズナー）を再現。宇宙空間で機動する姿をディスプレイできるスタンドには、搭載コンピュータのOS ・レイが発する「インフォメーション・メッセージ」「レディ」「アラーム・メッセージ！」といった声などを収録したサウンドギミック付き。限定商品として、幻の後継機となったMARKⅡと、緊急用の超高速機動システムV-MAXを再現するパーツが付属したバージョンもあります。ガンダムのリニューアルを目指して1987年に制作された『機甲戦記ドラグナー』からは、オープニングアニメの作画を担当した大張正己氏によるスーパーロボ的アレンジ「バリグナー」。

続いて、キャバリアーや空戦用飛行装備リフターが付属した本編イメージのD-1が出ています。後にギガノス軍のファルゲンや、鎧兜に三日月を掲げたメタルアーマー・ギルガザムネも登場。かつて〈HI-METAL〉シリーズでも発売された、永野護デザイン『重戦機エルガイム』。外装はポリカーボネート（設定では実際、プラスチックの一種で出来ています）、膝に露出した金属製の関節機構や、ランダムスレートが開くと見える脚のメカニズムが魅力的です。コックピットとなるスパイラルフローも着脱。エルガイム、レイズナー、ドラグナーが放映された80年代中頃といえば、テレビの画面と視聴時間はファミコンに奪われ、リアルロボットブームも鎮静した時期でした。

90年代半ばにエヴァンゲリオンが社会現象化して流れが変わるまで、アニメや玩具界のスポットライトは、しばらくロボットから外れます。魂SPECではこの他、バンダイ製のプラモデルが日本デザイン振興会のグッドデザイン賞を受賞したこともある『宇宙の騎士テッカマンブレード』が、ペガスとセットで発売。98年の劇場版『機動戦艦ナデシコ』からは、人型機動兵器エステバリスを追加装備で強化した異形の機体、ブラックサレナが登場。限定品で、夜光天・六連のセットもあります。