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Egermann（エーゲルマン）は1832年創業のボヘミアクリスタルの老舗メーカーです。ボヘミアンガラスはチェコの伝統工芸品で、17世紀にプラハの宮廷彫刻家たちが宝石のカッティング技法を取り入れて作り始めたのが最初といわれています。このボヘミアガラスの職人であったフリードリッヒ・エーゲルマンが十数年という長い歳月をかけて作り出した赤いガラスが「エーゲルマンガラス」と呼ばれる素晴らしい製品になりました。華やかな色彩と大胆かつ繊細なカッティングが特徴で、美術品のように美しいボヘミアングラスの世界を堪能することができます。

エーゲルマン製品には、エーゲルマンレッドをはじめ、グリーン、ダーマ、モドレーなど色別にデザインがあります。ボヘミアの伝統技術を継承しつづけて、今でも職人が一つ一つの工程をハンドメイドで行い、フラワーベースやオールドグラス、フルートグラス、花器など多彩な製品が作られています。エーゲルマンガラスの特徴は、彼が発明したグレイズと呼ばれる上塗り技法が使われていること。色部分がクリアすぎず、どの色も深みとコクのある色合いが特徴になっています。赤も明るくクリアな赤というよりはこっくりとしたブラムレッドのような赤で、モダンというよりは中世ヨーロッパの古き良き伝統を感じさせる色合いになっています。

グラスデザインの特徴としては、中世の時代を思わせるお城などをモチーフに、ガラス面を四分割して、そこに3つの模様を彫り込んであるのが特徴です。どの角度から見るかで趣を変えていくところが大変素晴らしく、エーゲルマンガラスの魅力といえるでしょう。今でも専属の彫刻家たちがデザインとカッティングをしており、素晴らしい伝統工芸品を伝承しています。ボヘミアガラスには裏側から彫刻を施していくグラヴィールという大変高度なカッティング技法が使われていますが、その素晴らしさを見ることができるのがエーゲルマンの作品の数々といえるでしょう。