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Spode（スポード）は、1770年に一人の陶芸家によって創業されました。イギリスを代表する窯業の町、ストーク＝オン＝トレントでボーンチャイナを完成させたメーカーとして知られています。ウェッジウッドやミントンなどと並ぶイギリス屈指の古名窯です。炻器（せっき）呼ばれるストーンウェアを作ることに成功したメーカーでもあります。ストーンウェアは陶器と磁器の中間に位置する焼き物で、厚みがありクリームがかった色が特徴です。

スポードを象徴する製品は1816年に初制作された「ブルーイタリアン」です。日本人にとってどこか懐かしい感じでがするのは、この製品がジャポニスムやシノワズリの影響を受けているからかもしれません。実際にイギリスの田園風景だけでなく東洋風の庭園を描いた製品もあります。こちらの製品はストーンウェアです。東洋風のデザインとしては「チャイニーズローズ」があります。デザインとしては、縁と中心アリアが別れ、それぞれに絵柄が置かれて、全体として総柄になっています。色は淡いブルーの一色のみ。単色づかいでも、絵柄の豪華さと配置の仕方で非常にゴージャスな印象のある製品です。「ブルーコロネル」もこうした流れの一つで、中国磁器を英国に持ち帰ったといわれているコープランド大佐の名前からネーミングされた製品です。中国のキクを意匠化したものといわれています。

比較的シンプルなデザインとしては「トラップネル・スプレイズ」があります。イタリアの果物を描いたデザインで、全体的に明るい雰囲気があります。色使いもパステル系で優しく、総柄でないので落ち着いた印象になっています。「カンタベリー・ベル」はシンプルな美しさの中に華やかさを秘めたデザインです。描かれているのは、イギリスの田園に咲くカンパニュラの花。素朴ながらとても上品な花に縁の金彩が華やかさを添えています。カントリーヤードが思い浮かぶような、大変イギリスらしい製品ということができるでしょう。