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Lalique（ラリック）は、1926年にパリで創業されたブランドです。アール・デコの著名なガラス作家であったルネ・ラリックは素晴らしい加工技術を完成させ、熟練した職人の手で行われる丁寧なものづくりにこだわりました。その伝統は今も守り続けられています。ラリック・クリスタルを代表するのが「フロステッド」と呼ばれる艶消し技法です。ガラス内部にダイレクトに光が通るのではなく、製品の内部に光がとどまるため、製品に独特な優しいニュアンスが生まれます。彫り込まれるモチーフは女性や植物、動物などが多く、いずれも曲線を生かした優美なデザインが特徴です。

テーブルウェアとしては、グラス類の種類が豊富です。ワイングラスもシャンパングラスも、ステム部分にラリックならではの意匠が施されています。毎年限定生産されるイヤーデカンタは、まるで芸術作品のような完成度でファンの注目の的になっています。

ラリックの製品は、テーブルウェアだけでなく、香水瓶やオーナメントのジャンルでも有名です。走る馬をモチーフにしたものが多く、大型の置物やペーパーウェイトなども制作しています。ラリックの本領が発揮されているといえるのは多彩なフラワーベース。ダリアの花を質感豊かに彫り込んだ「オラン」や、赤いガラスから今にもこぼれ落ちそうな実がリアルな「野ばらの実」、アンバー色のアメリカキササゲの葉が大胆についた「タネガ」は、種子島に由来するネーミングといわれています。「フヤージュ」　は、パリのプラタナスの葉が花器全体に描かれていて、とても美しい製品です。どの花器も非常に大胆でデコラティブなデザインが多く、花器だけで一つのインテリアとしての存在感があります。近年の製品としてはゴールドの輝きが美しい「プロヴァンス」シリーズや、深海のような深い青が魅惑的な「モッスィ」シリーズなどがあります。新旧どのデザインでも、職人の熟練した技に支えられた上品で装飾性に富んだ製品がラリックの特徴といえるでしょう。