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Sevres（セーブル）は、フランス・セーブル地方の焼き物です。ルイ15世やポンパドゥール夫人ともゆかりが深く、18世紀の宮廷文化の香りを色濃く残す大変優雅なテーブルウェアで知られています。珍しい国立窯で、国のオフィシャルな贈答品など公共の用に供されるものを主に制作しています。そのため年間6000ピースと生産量が非常に少なく、希少価値が高くなっています。独特な色彩に特徴があり、「ポンパドゥール・ピンク」と呼ばれる色はその名の通り、ポンパドゥール夫人が愛した色でした。もう一つセーブルを代表するのは「ブリュー・ド・ロア」と呼ばれる王の食器だけに使用が許された鮮やかな青色です。フランス革命時には一度壊されましたが、ナポレオンによって再興されたという歴史があります。

セーヴルの特徴は豊かな彩りで絵画的で豪華な装飾が施されていることです。特に濃くはっきりしたブルーに華やかな金彩が施されているものが有名で、「天上のブルー」ともいわれています。ポンパドゥール・ピンク、ブリュー・ド・ロアなどと共に非常にデコラティブな金彩でデザインされているのが特徴で、まるで美術品のようなテーブルウェアです。いずれの色もとても艶やかで、濃く強い色でありながら深みもあり上品さをたたえています。ピンクやブルーのはっきりした色を下地に、金彩で全体のデザインを引き締め、その中に繊細な風景画や人物画の絵付けがなされるというのがセーブルの伝統的なスタイルになっています。深さがあるソーサーは、ソーサーもカップ代わりにも使われていたという当時の様子を今に伝えています。華やかなりし頃の王朝貴族文化をしのばせる、歴史的にも非常に意義のある焼き物がセーブル焼きといえるでしょう。

セーブルのテーブルウェアは生産が少ないのでなかなか手に入りませんが、日本では比較的手に入りやすくなっているようです。セーブルの生みの親であるデュポア兄弟はもともと日本の柿右衛門とのつながりが深く、日本とは縁のあるメーカーといえます。