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　版画とは彫刻や細工を施した版を作り、インクの転写・透写等によって複数枚の絵画を製作する技法です。印刷だけでなく、このような方法で絵画を制作することができます。版画はその版の仕組みから大きく4つに分類されます。凸版画・凹版画・平版画・孔版画です。

凸版画とはインクをローラーなどで版の出っ張った部分だけに付着させて、版に紙をバレンまたはプレスで押しつけて、紙に写し取るという方法です。木材・ゴム・リノリウムなどが凸版の版の材質としてよく使われます。凹版画とは版の凹部で図柄を構成する版画技法です。西洋美術の世界では、もっとも広く用いられた版画技法で、とりわけルネサンス期以降の銅を版材とする銅版画において多くの製版技法が開発・蓄積されてきました。凹版画には平板画と孔版画があります。

平版画とは石版画・リトグラフと呼ばれているもので、油が水をはじく原理を利用しています。近年は扱いやすいアルミ板を使うことが多くなっています。専用のアルミ板などに油分の強いチョーク・クレヨン・油性のペンシル（ダーマトグラフ）などで描き、アラビアゴムや薬品を塗って版を作ります。孔版画とはインクが通過する穴とインクが通過しないところを作ることで製版し、印刷する技法です。「孔」とは「突き抜けた穴」の意味です。孔版画にはたくさんの種類の技法が存在しますが、よく知られているものとして、ステンシルとシルクスクリーンが挙げられます。

　次に版画に関する本を紹介します。1冊目は梶野沙羅『木版画でかわいい雑貨』です。この本で紹介する木版画技法は、同じ版の上で色を重ねて刷るため、面倒な版替えをしないで初心者でも簡単にできるのが特徴です。ショップで販売できるクオリティの雑貨が自分でつくれます。具体的には、バースデーカード・ブックカバー・レターセットなど10種類のアイテムの作り方と約100種類の図案を紹介しています。

2冊目は五所 菊雄『はじめよう！木版画―季節の便りで身につく13のテクニック』です。初心者を対象に、年賀状と四季の便りの制作を通して、木版画の基礎と誰でも挑戦できる13のテクニックを指南する技法書です。制作途中の版木など作業過程の図版を多数掲載し、一目で分かる工夫を満掲載しています。