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　科学とは自然科学・人文科学・社会科学の総称としてしばしば用いられます。その中で、自然科学とは、自然に属するもろもろの対象を取り扱い、その法則性を明らかにする学問です。自然における観測可能な対象やプロセスに関する科学あるいは知識のことを指します。自然科学の分野として物理学・化学・生物学・地球科学・天文学が挙げられます。

　次に、理学と工学について取り上げます。まず、理学とは自然の原理を追求する諸分野であり、自然の何かがどうなっているのかを追求する諸分野です。どのように実現するかを追求し、実用や適用を目的とする工学と対比されます。また理学という用語と概念は基礎科学と重なるところが多いので、応用科学に分類される工学・農学・医学などと対比されることもある。理学の範囲は一般的に、物理学・化学・生物学・地学・天文学などです。工学は理学の分野である数学・物理学・化学などを基礎としています。

　工学と理学の相違点は、ある現象を目の前にしたとき、理学は「自然界（の現象）は（現状）どうなっているのか」や「なぜそのようになるのか」という既に存在している状態の理解を追求するのに対して、工学は「どうしたら、（望ましくて）未だ存在しない状態やモノを実現できるか」ということを追及する点であると言われています。あるいは「どうしたら目指す成果に結び付けられるか」という、人間・社会で利用されるという目的性を追求するとも言われています。

　したがって、工学では安全性・経済性・運用・保守など実用面での観点の価値判断が重要になってきます。使用できる時間・人員・予算等といった資源の制約の中、工学としての目的を達成するための技術的な検討とその評価を工学的妥当性と言います。また、工学的な性質の分析には、環境適合性・使いやすさ・整備のしやすさ・生涯費用（ライフサイクルコスト）など評価方法が用いられています。そうした評価方法の開発も工学の重要な分野とされています。