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　歴史学とは過去の史料を評価・検証する過程を通して歴史の事実と事実との関連を追究する学問のことです。 主な歴史学の初学者向けの著書として、E・H・カー『歴史とは何か』が挙げられます。E・H・カーは自らの著書において、

「歴史とは現在と過去との対話である。現在に生きる私たちは、過去を主体的にとらえることなしに未来への展望をたてることはできない。複雑な諸要素がからみ合って動いていく現代では、過去を見る新しい眼が切実に求められている。歴史的事実とは、法則とは、個人の役割は、など歴史における主要な問題について明快に論じる。」

と論じています。

　これまでの主な歴史学者の主張を振り返ります。まず、哲学者ヘーゲルを取り上げます。ヘーゲルは人類の歴史の世界史的発展過程により理性（絶対精神）が自己を明らかにするものと捉えました。次に、哲学者マルクスはヘーゲルの進歩史観を継承しつつ、思想や観念を歴史の原動力とした部分を批判、経済的な関係こそが歴史の原動力であるとした唯物史観を確立したと言われています。マルクスの著書『共産党宣言』と『資本論』で唯物史観に関する主張が載っています。また、マルクスは著書の中で生産力と生産関係の矛盾が深まると社会変革が起こると述べています。

　次に、社会学者で経済学者のマックス・ウェーバーについて取り上げます。マックス・ウェーバーは、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、人間の行動を規定するものとして宗教に注目し、宗教倫理と経済活動の関連を研究しましたことで知られています。社会学者で歴史学者のウォーラステインは世界システム論を提唱したことで知られています。ウォーラステインは、歴史は1つの国や社会で完結するものではなく、世界システムの過程から捉えるべきであるとしています。中心・半周辺・周辺で役割と生産形態が異なることを世界システムの国際的分業体制であると捉えています。

　最後に、歴史学については理論を農業・政治・経済・文化・外交などの特例の分野に応用したテーマ史の研究が進められています。