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　文学は言葉（口頭または文字）によるコミュニケーションのうち、言語のあらゆる力を活用して受け手への効果を増大させようとするものとして定義されています。文学の形態としてまず、メディアが挙げられます。原初的な文学は口伝（口承文芸）です。それが文字で書きとめられるようになり写本の形で流布するようになりました。15世紀以降に印刷技術が普及し、やがて活版印刷による文学作品の出版が盛んになりました。現在ではインターネットに代表される電子メディア上で表現されるものがあります。

　文学形式を取り上げます。メディアの変遷に応じ、最初は音声で受容される叙事詩・抒情詩などの詩や、演劇（劇文学）が中心的な役割を果たしましたが、近代に至り文字の形での受容が容易になるにつれて詩から小説への大規模な移行が起こりました。文学は言語に依存する芸術であるため、他言語の作品を鑑賞・解釈するためには翻訳が大変重要であり、翻訳家の存在が大きな意味を持つと言われています。翻訳された作品を翻訳文学と呼ばれています。

　次に、評論について取り上げます。評論とは文学作品を研究・分析・批評することを言います・文芸評論または文芸批評とも言われています。評論には研究論文から雑誌のコラムまで幅広い範囲があります。文学だけでなく、あらゆる作品が評論の対象にもなります。評論には様々な手法があり、それは研究対象や時代や評論家自身などに依存すると言われています。優れた評論文はそれ自体が文学作品として評価され、作家や思想家が文芸評論家として活動することもあります。

　最後に、文学の分野について取り上げます。口承文学（口承文芸）では民謡・物語が、詩では韻文・散文詩が、散文では小説（フィクション）・戯曲・随筆（エッセイ）・紀行・日記・伝記・自伝・文芸評論・書評・ノンフィクション（ルポルタージュ）がそれぞれ挙げられます。