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イカ焼き器は、関西・大阪を中心に食べられているイカ焼きを焼くための調理器具です。イカを丸ごと焼いた、「イカの姿焼き」とは異なり、関西のイカ焼きは小麦粉と卵を混ぜた生地に、イカを混ぜるか、焼きあがった生地にイカを乗せて、ソースをつけて食べる粉物料理の一つです。お好み焼きやたこ焼きなど、他の粉物料理と異なるモチモチとした食感に特徴のある料理です。

イカ焼き器には家庭用のものと業務用のものがあります。基本的に、イカ焼きを作る際の生地の大きさは、お好み焼きのそれと同じくらいの面積なので、イカ焼き器の鉄板も比較的広い面積が必要となります。同じような鉄製のフライパンと比べると、全体的にイカ焼き器のほうが重いのが一般的です。また、イカ焼きを焼き上げる際には、コンロの上で鉄板を持ち上げて数回ひっくり返す必要があるため、ある程度の腕力・握力が必要になります。対して、業務用のものは持ち上げる必要なく焼き上げられる形状をしています。

生地の大きさは家庭用のものより若干小さいものが想定されていますが、１台の業務用イカ焼き器で、一度に2~6枚焼成可能なものが一般的です。業務用のものでは熱源がガスと電気の2種類があります。ガスの場合はガスコンロと同様、火を使っての加熱で、電気の場合は赤外線熱を使っての加熱方法です。赤外線熱を利用しての加熱方法は、直火に比べて均一に鉄板全体に熱が伝わるので、焼きムラが少なく、イカ焼き技術が熟達していない人でも簡単に調理することが可能になりました。下部ガス熱、上部電気熱など、2種類の熱源を利用する業務用機種もあります。

イカ焼きはお好み焼きと異なり、独特のモチモチとした食感が人気の料理です。このモチモチとした食感は、生地を作る際に小麦粉と水分をよく練り上げて小麦でんぷんを作り出すことに由来しています。また、同時にイカ焼き器の独特の形状（上下2枚の鉄板で生地をはさんで焼き上げる）も、この食感を実現するのに一役買っています。