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風速計とは、その名の通り風速を測定する装置です。飛行場・塔・山頂付近などや測候所に主に設置されています。また陸上競技や工業製品耐久試験場などでは、手で持つ簡易式のタイプが使用されています。風速計の種類としては主に風杯型風速計・風車型風速計・超音波型風速計・三次元超音波風速計・その他の風速計のタイプがあります。

風杯型風速計とは垂直の回転軸に3or4個の半球あるいは円錐状の風杯という羽を持った垂直の軸で風速を感応する部分を持つ風車型の風速計の事を言います。風杯が風を受け、空気抵抗が凸面よりも凹面の方が高くなる構造の為、凹面が前面へ向かう方向に軸が回転を始めます。ここで発生した回転をギヤ機構や発電機で検出し、目視で確認できる電気信号や数値に変換し、測定値として表示をします。回転数を機械的に積算し、空気（風）が移動する距離とその測定時間を表して測定する方式の物にロビンソン風速計という名称がついています。風向きに影響受けず回転数及び回転の有無がわかるため、風が変わっていく事への反応の良さが長所ですが、風向きを観測する必要がある時には風向計を別に取り付けて測定する必要があります。

元々は4杯式と言われる風杯が4つあるタイプの物が主流でしたが、機械式の検出機構から負荷が少なく耐久性のある電機式へと切り替わるタイミングで、現在は感応性の高い3杯式が主流へと変わっています。また、コンパクトに製作できるメリットがあるため、固定せず移動が可能なの手持ちのハンディタイプの物や、工事現場の環境測定用などによく使われている三脚付きの物があります。

風車型風速計とは径の小さいプロペラのような羽が取り付けられた水平の軸で風速を感応する部分を持つ風車型の風速計の事を言います。気象観測用の物としては、フロント部分に風車、リア部分に風速計を安定させる目的で飛行機の尾翼を持った流線型をした本体が水平方向に回転し、風上に風車が向く事で、風向も同時に観測できる風向風速計になっているタイプが主流になっています。風車の回転数を検出する機構としては光電式と発電機の2つがありますが回転部の感応性の高さと経年劣化の進行の遅さなどが考慮され光電式のほうが主流になっています。

超音波式風速計とは音速と風速の関係性から、音波は風上から風下に向かうときは音速＋風速、風下から風上に向かう時には音速－風速のスピードで伝わっていきます。この関係性利用し、受信部と発信部を向かい合わせに配置させ、超音波が伝わっていく時間を割り出す事から風速を測定できるようになります。一般に使用されている製品では風速を測定する範囲の前端・後端両方に発信、受信共にできる物を設置し、往復時間を観測した結果から、気温や気圧が変化した時に起こる音速の変化を考慮せずに測定できるので観測誤差を小さくする役割を持っています。ただ、外部からのあらゆる雑音（ノイズ）によって測定誤差が発生しやすい傾向にあり、計算式を使った処理をしないと風速・風向を確定できませんが、風速計の作動部分が外部に露出していない構造から野外での耐久性が高いため、頻繁に立ち寄る事ができない場所でも設置できる強みがあります。

その他、通電した電熱線を外部に露出させた状態で、発熱と風によって冷やされた平衡した温度になった時間から風速を導き出す、熱線式風速計という物もあります。また、これの簡易版として、長方形をしたベーンと呼ばれる物の上部に軸を取り付け、軸の傾きの角度から風速を導き出すタイプの物が、教材として使われています。