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マイクロメーターと（micrometer）とは精密・緻密なねじ機構を用いて、ねじの変位を置き換え、数値を拡大し、精密に長さを測定するために使用している測定器具の名称として一般的に呼ばれています。長さを測定する事によく使われるノギスよりも精度が必要となる測定に主として使用されています。

一般的なマイクロメーターの目盛りは0.01mmで通称マイクロメーターヘッドの基本構造部がねじ機構となっているため、測定する圧力が均一になり難く、測定圧による個人差とばらつきが測定値の差となって現れやすい傾向があります。この測定圧のばらつきを是正し、一定の圧力で測定できるように研究開発されたのが定圧機構式マイクロメーターです。定圧機構式マイクロメーターの中でで一般的に普及しているのがラチェットストップ式タイプの物です。

また、様々な用途に合わせて、測定先端部（アンビルなどと呼ばれている物）の形状の異なるマイクロメーターがあります。その機構としては２種類のねじを組み合わせた差動装置によって成り立っており、ギアピッチの差を利用し、通常よりも更に精密な動作が可能になっています。

測定対象別の代表的なマイクロメーターの種類としては、円筒形物の外径を測定する平マイクロメーター・板の厚みを測定する両球マイクロメーター・加工品などの穴の内径を測定する内側マイクロメーター・その進化系の3点式内側マイクロメーター・より大きな内径を測定する棒型内側マイクロメーター・深さ、及び段差を測定するデプスマイクロメーター・歯車間の歯厚を測定する歯厚マイクロメーターなど、用途に合わせて専用のマイクロメーターがたくさんあります。

micrometerという言葉の由来はギリシア語のmicros（小さい）とmetron（測る）を当時の人が組み合わせた造語で、1670年頃にフランス語から英語に取り入れられ使われるようになったと言われています。その頃には現在の測定基準にんっているメートル法もマイクロメートルという単位もありませんでしたが、当時の人たちが細かい物を測定するために、必要な測定方法に興味を持っていました。

マイクロメーターの原型のねじを使った測定器具は1600年代の中頃にノギスを改良した物として発明されました。現在のマイクロメーターが発明されるには更に200年ほど後になりますが1848年にフランスのジャン・ローラン・パルメール（Jean・Laurent・Palmer）という方が発明し発表しています。因みに、フランス語ではマイクロメーターをPalmer、スペイン語ではtormillo de palmerとも呼ばれているのは発明者の名前が由来になっています。世界的には、1867年にBrown＆Sharpe社がマイクロメーターを発売してから広く普及するようになりました。その後、1888年にエドワード・モーリーがマイクロメーターの精度を高めた詳細な実験でその測定値の正確性を証明し、より知名度が向上していきました。