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メモリーハイコーダーは、サンプリングのスピードはデジタルオシロスコープに比べて低くなっていますが、色々な種類の信号を絶縁アンプを使う事無く記録できる波形記録表（レコーダー）の事です。オシロスコープ、電磁オシログラフ等が波形観測装置の主だった物でしたが、デジタル技術の高度化により、デジタルオシロスコープ、メモリー式レコーダーへと変わってきています。

この内の、メモリ式レコーダーをメモリハイコーダーと呼んでいます。メモリハイコーダーの原理としてはA/D変換器、データメモリ、波形表示部、プリンタの4つの部分とこの4つを制御しているCPUから成り立っています。アナログ信号で入力された信号をA/D変換器によりデジタル信号へと変換し、メモリに内に保存・記憶させ、それを波形にして表示するような形式です。

高速現象を時には大変有利な測定するデジタルオシロスコープですが、ch間のGNDが共通になっているオシロスコープは、測定する回路が電位差が認められる所であったり、強電、弱電がが混在した状態の制御回路を測定する場合などでは回路間での短絡を引き起こし危険な事故となる可能性があります。

その点、ch間が絶縁されているメモリハイコーダーの場合は、電源のAC波形をしっかり観測しながらも、DCの制御の計測や、インバータ・コンバータ波形の記録（入力間・出力間共）が問題なく実施できる為、強電、弱電が混在した状態の制御回路での測定で能力を発揮できます。もう一点、サンプリング速度の大幅な向上により、特性的に可聴周波領域以上の能力があり、機械計測、振動計測のような、物理計測を電気計測同様に計測する事が可能になっています。

デジタルオシロスコープとメモリハイコーダーで最も特徴的な違いは、本体・入力チャンネル間が確実に絶縁されているかどうかにあります。メモリハイコーダーはひとつひとつの入力チャンネルが電気的に切り離した状態となっており、アース接続により入力チャンネルと-側が接続されたデジタルオシロスコープとは一線を画す方式になっています。それ以外にもデジタルオシロスコープは一般的に4チャンネルタイプになっていますが、メモリハイコーダーは2チャンネルから54チャンネルまでとデジタルオシロスコープよりも幅広い信号に対応が可能になっています。また、入力差し替えが可能な方式を取っているおかげで多種類の信号も測定を可能にしています。