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オシロスコープとは、時間の経過と共に電気信号が変化していく様子を、リアルタイムに観測することが出来る波形計測器です。本来、目では見えない電気信号の変化をブラウン管を通して視覚的に見ることが出来ます。また電気信号の他にも、温度、湿度、速度、圧力など様々な現象の変化量を測ることが可能です。また、他のメータ類と異なる部分は、単にその波形の平均的な値を計るだけでなく、波形が変化していく様子を時系列に目で追いかけたり、突発的な現象を捉えることが出来ます。しかも、非常に高い周波数の電気信号の変化にも対応でき、エンジニアにはとても重宝されている計器です。

オシロスコープの動作原理は、波形を描かせる為にリサジュー図形の描画を応用しています。これは、Y軸に正弦波、X軸にノコギリ波を入力したときに描かれる波形です。水平方向に時間の経過に正比例して変化する電圧、垂直方向に観測する信号の電圧を入力することにより、信号電圧の時間的変化を波形として観測します。

方式としては同期方式が採用されており、単純に、垂直方向と水平方向へ信号を加え、両方の信号を同期してタイミングを合わせます。同期方式には、同期掃引方式、トリガ掃引方式があります。同期掃引方式は、掃引用ののこぎり波を発生させて、スクリーン波形を見ながら、その波形数を手動で調整して同期を取る方式です。トリガ掃引方式は、信号があるときにのこぎり波が発生しますので、自動的に発生した波形をスクリーンに描く方式です。

次にオシロスコープの回路構成ですが、2つの現象を表示するブラウン管には電子銃が1つしかありません。つまり1ビームのブラウン管をベースに、電子回路で2つの信号を交互に切り替えてスクリーン上にそれぞれの波形を同時表示できるようにします。この方式にはALT方式とCHOP方式があり、可聴帯域の上限である約20KHzまではCHOP方式が使用され、それ以上となる周波数にはALT方式が使用されます。