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角谷一圭という鉄瓶の製作者についてご存じでしょうか？角谷一圭とは茶の湯釜の人間国宝で、大阪市東成区で生まれ、6才の頃から鋳物師であった父の仕事を手伝いながら、21才で大阪工芸展に初出品した鉄瓶が受賞を果たし、年齢から言うとかなり努力もしたでしょうが、才能があったと言えるでしょう。

なお、54才の頃には、第5会日本工芸展で海老釜という作品が高松宮総裁賞を受賞し、朝日新聞賞を受賞するなど、受賞作品も数多いです。彼は戦前より鉄瓶を製作していたので、時折共箱が附属された作品が出回ることもあるようです。さすが人間国宝と言える作品から、これ位の作品でこんな値段なのか？と驚くような作品まであります。

それでは彼の代表作品をご紹介しましょう。まずは、土器式砲口丸形鉄瓶です。手によって捻られたような落ち着いた丸形で、土物かと見間違うほど細やかに意匠された土器式鉄瓶となっており、鉄環摘の共箱が縁の内側にぴったりとはまる内蓋方式の作品となっています。棒が突き出たようなまっすぐした注ぎ口は、湯切りが非常によく、湯の出方も最高の品です。このまっすぐになった湯の注ぎ口は明治初期の光玉堂などでもよく見られた形状で、非常に曲線美が美しい作品であり、人間国宝の彼が力を込めて作った力作中の力作となっています。

この作品のサイズは17×15.2×19.3cmで約110万円程度で売買されています。なお、この作品は蓋の裏に銘が刻まれておらず、蓋の裏にはありませんが、鉄瓶の外側に彼の名前が刻まれています。この銘が本物かどうかを確かめる方法の1つとなっており、さらにこの作品には共箱がついており、こちらにも銘が書かれているようです。

彼の作品は鉄瓶以外にも色々な茶道具の作品があるのですが、筆跡はもっとも本物かどうかを判断するための重要な証拠になります。他にも彼の作品としては、和銑馬ノ図田口釜、和銑千羽鶴図丸釜などがあります。以上のことが鉄瓶コレクションをなさっている方がたのご参考になれば幸いです。