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勝城蒼鳳と竹工芸
略歴と年表、代表作について

竹工芸とは1982年4月に重要無形文化財に指定され、その保持者を認定することは追加認定ということになります。日本の竹工芸は豊かな素材に恵まれ、早くから発達しており、縄文時代の遺跡からも出土しているほどです。奈良時代に唐の技法が伝わったことで技術がさらに進歩し、中世になると茶の湯が流行したのと同時に日本独特の作風を示し、近代以降になると高い芸術性を目指した素晴らしい竹工芸家が現れてきます。

なお、竹工芸の技法とは、細く割ったひごを編み組みし、造形する編組物の他に、円筒形のままの竹を使う丸竹物などに分けられ、素材の簡素な美しさや頑丈で弾力性に富んだ性質を活かした製作が行われています。竹工芸とは芸術上で特に価値の高いものであり、工芸史上特に重要な地位を占めていると言えるでしょう。

彼が重要無形文化財保持者に認定されたのは平成17年8月のことです。彼は1934年栃木県那須郡塩原市に生まれ、15歳の時に竹細工師である菊池義伊氏のもとへ入門、竹細工の技法を学びました。その後1965年以降は八木澤蒼玕や齋藤文石氏などに師事し、1968年には雅号蒼鳳を名乗って竹細工から竹工芸の道へ入っていくこととなります。

なお、彼の作品については伝統工芸展などに発表して受賞を重ね、1983年に第30回同展において波千鳥編盛籃である渓流が東京都知事賞受賞となり、後に東京国立近代美術館所蔵品となります。勝城氏は竹の選定から素材の調整や編組、染色、払漆仕上げなどといった多岐にわたる幅広い竹工芸の技法を高度に習得していて、丹念に編組をし、膨らみと量感のある仕上げで彼独特の作品を作り上げています。竹工芸の保持者としては、過去に4人が認定されていて、彼は5人目の認定保持者となりました。

彼の竹工芸の作品としては、柾割摺漆花籃「泉心」(まさわりすりうるしはなかご「せんしん」)、篠平伸摺漆花籃「薫風」、雨文摺漆花籃「那須野の驟雨」、柾割千筋拭漆花籃「蝉時雨」などが有名です。

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