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三浦小平二は新潟県佐渡市出身で、この地域は無名異焼の産地であり、三浦氏は窯元の家に生まれました。無名異焼の土には酸化鉄が多く含まれている赤土で、朱色に焼きあがるのが特徴となっています。三浦氏は東京芸大の彫刻科に進学し、加藤土師萌を招聘し、陶磁器研究会を発足させました。

この加藤氏は色絵磁器の人間国宝として有名ですが、青磁や青白磁、白磁、染付などといった中国陶磁の他に、黄瀬戸や織部などといった桃山陶にも造詣が深いことで知られています。この加藤氏から三浦氏はさまざまな技法を習得していきました。さらに、1964年になると、東京芸大工芸科に陶芸講座が開講され、当初は加藤氏、藤本能道氏、田村耕一氏、の他に三浦氏も講師として後輩の指導に当たっていました。

なお、三浦氏は同年、東京都国立市に窯を開いており、本格的に青磁に取り組みはじめ、無名異の赤土を用いて青磁を作っていました。三浦氏は39歳の頃に台湾の故宮博物館に展示されている南宋官窯の現物を見たことで、無名異の土との類似点を見出したそうです。 南宋官窯は紫口鉄足という特徴があり、この紫口とは口縁部の釉薬が薄くなった際に、素地土の鉄分により紫がかった色になることを言います。

三浦氏は鈞窯特に南宋官窯の再現を出発点としていますが、さらになめらかな器形と蓋の作りに特徴があり、その形は独特の丸みがあり、柔らかな雰囲気が感じられます。さらに、飾り壺や香炉のふたには切込みが規則的に入っていて、こうした大輪の花弁を彷彿とさせる輪花の技法により、動きのある形でありながらも静けさを感じさせる品格のある作品となっています。うす引きされた土には青磁釉薬が厚くかけられており、細かく生じた貫入は鉄分によって赤褐色に染まっているのが特徴的です。

この三浦小平二の代表的な作品として青磁豆彩アフガン少女ぐいのみがあります。もし機会がありましたら、一度ご覧になっていただけると幸いです。