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Sゲージは、縮尺が1/64、軌間が22 〜22.9㎜の鉄道模型の規格の一つです。 この「S」は3/16の「Three Sixteenth」インチスケール、7/8の「Seven Eighth」インチゲージ、1/64 「One Sixtyfourth」それぞれの3つの頭文字が由来です。 縮尺が1/64という点のみに着目したスケールのものは「Sスケール」と呼ばれ、鉄道模型だけでなく車など色々な模型のスケールとして扱われています。

このSゲージという名前が世に広まる前は、H1ゲージとも呼ばれており、このH1は1番ゲージの半分の規格という意味でした。 また、当時はアメリカで販売したメーカーが自社の名称からとった「CDゲージ」と名付けたこともありましたが、世に広まらず現在のSゲージに落ち着く形となったのです。 規格は7/8インチだけでなく、一番ゲージの半分の軌間22.5㎜が使われることもあります。NMRA規格では1990年代頃まで0.876インチ（22.2㎜）、現在は標準軌の1435㎜を正確に1/64へ縮小した数値に限りなく近い0.883インチ（22.43㎜）〜0.905インチ（22.99㎜）とされています。 また、ヨーロッパのMOROPのNEM規格にいたっては22.5㎜、イギリスのBRMSB規格では22.23㎜と、国によって軌間に違いがあるのが特徴です。

このSゲージはアメリカで根強い人気を誇っており、特にアメリカンフライヤーなどのティンプレート製品やブラスモデルなど、スケールモデルがマニア向けに販売されています。 特にスケールモデルのSスケールは、細密レイアウトが時々雑誌で紹介されるほど高い人気を獲得しており、専業のメーカーまで存在しているのです。 また、イギリスもSスケールを愛好する歴史が長く、1946年に愛好者団体が設立されています。 これはSゲージに関係する愛好者団体の中でも最も歴史が古く、現在まで親しまれてきているのです。

日本国内では昭和20年代に、縮尺は1/50〜1/60、軌間が22〜22.5㎜の規格の鉄道模型がメーカーや愛好者たちの間で制作がされましたが、結果として広く普及はされませんでした。 そのため、現在は1/64の縮尺をもとにした、実物1067㎜の軌間を正確にも経過したSn1/2（S1067）の規格が各メーカーから発売されているため入手が可能です。