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フライト ゴーグルについて
かつて飛行機のパイロットは吹きさらしの操縦席に座っていました。 彼らが風に対して眼を保護するために着用するようになったのが、フライト用のゴーグルです。 時速百キロ以上の速度で正面からの風にさらされる状況では、もちろん裸眼のままでは無理。それに耐えうるもの、ということで、最初からスキーメガネ式の密閉性の高いものが使われていました。
第一次世界大戦の頃はまさに必需品でしたが、これが第二次世界大戦の頃になると操縦席自体がほとんど密閉されるようになったため、フライト用のゴーグルはもっぱら補助的な形で用いられるようになりました。 密閉されているといっても銃撃でガラスを破られたり、風防をずらして周りを見る必要が出てきたりすることがあります。 そんな場合にゴーグルが必要とされました。第二次世界大戦時の、特に戦闘機のパイロットたちのスタイルと言えば、皮の飛行帽に装着した左右独立したメガネ式のゴーグル、というのが定番でした。
この、吹きさらしの風の中に顔を置くという状況は、パイロットだけでなくバイクのライダーにも共通する条件です。 ですので、初期の頃のライダーたちはパイロットの飛行帽とフライトに使われるゴーグルをそのまま持ってきて使っていました。 バイクライダーは単身スピードに身を置くその姿から、戦闘機のパイロットに共通するイメージがあります。 そんな意味でもフライト用のゴーグルというのは、なじみがよかったのかもしれません。
ちなみにジェット全盛の現代では、フライト用のゴーグルが実戦で使われることはほとんどなくなってしまいました。 顔をプロテクトする場合でも、フルフェイスタイプのヘルメットと大型の樹脂製シールドの組み合わせが一般的です。 脱出時のスピードや風の抵抗を考えれば、このような形態を取る以外、方法はありません。 同じように、スピードの出るバイクレースではゴーグル+ヘルメット、という形ではなく、フルフェイスが当たり前となっています。
クラシックなスタイルのフライト ゴーグルは、バイクに乗る人の間でも人気が高いでしょう。 でもオリジナルの中古品だと数万円もするのは当たり前だとか。それでも欲しいという方は、オークションに出品される事もよくあるようですので、頑張ってチェックしてみてはどうでしょうか。
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