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ミリタリーライターとは軍隊が兵士に支給する、ないしは酒保（PX）などの売店で簡単に入手することができるライターのことをいいます。兵士にとってライターは欠かせないもの。もちろん、煙草を吸うことが多いからというのもありますが、特に最前線の兵士にとってライターは必須のアイテムと言っていいかもしれません。食事の時に火を起こすにしても、いちいちマッチで、というのは困難な場合があります。また、非常時には明かり代わりに、という使い方もあるでしょう。つまり、兵士にとってはサバイバルに欠かせない良き友であるわけです。

ミリタリーライターの定番といえば、なんといってもZippoです。風雨の中でも火がつくことを目指したオイルライターで、そのタフなデザインやメンテのしやすさには定評があります。手のひらにすっぽり収まる大きさと重さ、シンプルなステンレス製ボディなど、デザイン的にも簡潔かつ機能的で、ミリタリーライターという枠を超えた、ライターを代表する製品と言ってもいいかもしれません。

その基本形は「２００」と呼ばれる無地の簡素なタイプのものですが、現在ではこの「Zippo ２００」をベースに様々な刻印・彫刻等の装飾を施したものがごく一般的に出回っています。これは、ベトナム戦争中、兵士たちが自分の持ち物であるZippoライターにナイフなどで名前やメッセージを彫ったことに由来しています。現在は、軍隊であるなしを問わず、さまざまなデザインのものが販売されており、ビンテージものなら十万円以上など、価格も様々です。自分の名前を刻印したり、オリジナルデザインを受け付けてくれたりしてくれるところもありますので、自分だけの一品にこだわりたい人は相談してみるといいでしょう。

それ以外で人気が高いのが第二次世界大戦以前に製造・支給されたミリタリーライターで、別名「トレンチライター」と呼ばれるものです。日本でポピュラーなのはオーストリアのIMCO社が１９２０年に製造したとされる、ライフル銃の薬莢を改造して作ったものでしょう。細長いスケルトン状の独特なデザインで、底部に当たる部分にリングが付いています。入手できるものはほとんどがレプリカですが、そのスタイリッシュな外観や、アクセサリ代わりに首から紐でぶら下げることができることなどから根強い人気を持っています。